脂質は細胞膜を構成したり、ホルモンの材料になったりします。また身体動かすエネルギーの素になり、1gあたりのエネルギー量は炭水化物やたんぱく質の2倍以上です。 脂肪=太るというイメージの方が多いと思いますが、発育成長や健康維持に欠かせない体組織構成物質として5大要素のひとつでもある栄養素です。
健康のために摂りたい「脂質」の作用
脂質はいくつかの種類があり、1種類にこだわらず様々な種類を摂取するのが理想的です。
オレイン酸(オメガ9)
悪玉コレステロールを除去する物質があるため、高血圧予防や生活習慣病の予防に効果があります。オリーブオイルや米油、アボカドオイルなどがポピュラーです。
リノール酸(オメガ6)
摂り過ぎるとアレルギー症状や老化を促進してしまうといった悪影響が出る場合があります。サラダ油やごま油、紅花油などに含まれます。
α-リノレン酸(オメガ3)
体内に摂り込まれるとDHAやEPAに変化する性質があります。血中コレステロールを除去し、高血圧や生活習慣病を予防する効果があります。エゴマ油や亜麻仁油などが有名です。
トランス脂肪酸に注意しましょう!
トランス脂肪酸とは、油脂に含まれる栄養素のひとつです。過剰に摂取することで血液中のLDL(悪玉)コレステロールが増え、HDL(善玉)コレステロールが減ることが判っており、がんや心臓病、動脈硬化、アレルギー、婦人科系疾患などの原因になるといわれています。
どんなものに含まれる?
トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングなどに含まれているのが有名です。これを原料としている洋菓子や揚げ物などに多く含まれています。
気づかずに摂ってしまうトランス脂肪酸
開封した植物油を長期保存してたり、何度も加熱することで「酸化」が起こります。酸化で増えるのが「トランス脂肪酸」なのです。また、常温で液体の油を個体にする際の技術として水素添加という工程があり、これによってもトランス脂肪酸が生成されてしまいます。
健康のために適度な油脂を摂りましょう!
脂質は摂らな方がよいと考えて全く摂らないのも、老化や健康に悪影響になってしまうことがあります。しかし摂り過ぎもやはりさまざまな病気の要因になることも確かです。何事も適度に、油脂の特徴を加味しながら上手に摂取してくださいね。