「矯正」と考えたとき、1番の目的は見た目をきれいにするために行うものと考えてしまうかもしれません。実は歯並びが悪いことで一番の問題は、全身の『不健康』を招くかもしれないということにあるのです。
整った歯並びと健康はつながっています!
歯並びが悪いと、正常時に鼻でおこなう正しい呼吸ができません。これは「しっかり噛めていない」「飲み込めていない」などの不具合の結果、起こります。また、鼻呼吸ができないために、歯並びが悪くなるという悪循環も生み出します。
このような不具合が、お子さんの成長や健康を阻害する要因になってしまう可能性があり、しかも、この問題は成長期でなければほぼ改善することはできません。
歯並びの悪さは「遺伝」ではありません
歯並びが悪くなるのは「遺伝」の要素があるのでは?と心配される方がいますが、あまり大きな影響はありません。若干の遺伝要素と、生活習慣が同じでるために、親と子は骨格や歯並びが似ているのです。
むしろ、土台となるアゴの骨が、歯が生え揃う大きさまで成長出来なかった結果不正歯列は起こります。そして成長不全は成長期である時期でしか、足りない骨の成長を促進・改善できません。
成長期のうちに歯並びに関心を持ってほしい!
学校の歯科検診で、「歯並び」を指摘されるお子さんも多いのではないでしょうか?一昔前は学校歯科検診では歯並びの項目はありませんでした。これは、「顎の成長を待つのではなく、成長過程から歯並びを誘導しながら矯正することも必要だ」という考えが主流となってきていることを表しています。
歯並びが悪いことによって起こること
小学生までのお子さんで歯並びが悪ければ、「正しく食べ物を噛む事が出来ない」「正しく飲み込む事が出来ない」「正しく呼吸ができない」といったような不具合が起こってしまいます。
身体に摂り込まれる栄養バランスが悪くなる
麺類など噛まなくても食べやすいものを好む傾向にあり、どうしても水やお茶が無いと飲み込めなくなります。(丸呑み)
また、しっかり歯が噛み合わないため、繊維質な野菜が咬み切れずに野菜嫌いになります。偏食になり栄養が偏ることで、全身の成長に影響するのです。
アレルギーや便秘の原因に
口は身体にとって最初の消化器官です。食物をしっかり噛み砕いて胃に送り込まなければ、消化不良を起こし、胃腸に大きな負担をかけることになってしまいます。ここからアレルギーや便秘などさまざまな体調不良の原因につながることもあります。
呼吸の乱れが起因する全身への影響
歯並びが悪いと、自然な鼻呼吸ができないことが多くなります。口呼吸になりがちで、鼻づまりや喘息、いびき、歯ぎしり、睡眠時無呼吸症候群などの症状の原因となっていることもあります。また、これらの影響で「おねしょ」も起こるとも考えられています。
歯並びの悪さは見た目だけの問題ではありません。
最近では「健口」とも言われるように、口は健康の入り口です。ですから、不正歯列は全身につながる問題につながってしまいます。不正歯列で起こる弊害は、歯並びを整えることで自然と治ることもあります。一見綺麗に並んでいる歯並びでも、噛み合わせが整っているとも限りません。気になる方はぜひ歯科医院にご相談くださいね。