お口の健康コラム

年齢に合わせた 歯ブラシの選び方

新しい歯ブラシを準備してみませんか?歯ブラシ選びは自分の好きなもの、手軽に買えるものなどと、なんとなく選んでいるという方は多いと思います。しかし、歯ブラシにも選び方があるのです。今回はそのポイントをお伝えしていきます。

1.歯ブラシ選びが大切な理由

歯ブラシなど口の中の清掃道具には、年齢に合わせたものや虫歯や、歯並びなど口の中の状態に合せて作られた様々な種類のものがあります。それらを知らずに歯ブラシを選んでしまうと「歯磨きをしても汚れが落とせていない」「口の中を傷つけてしまった」などのトラブルや子供の場合は歯磨き嫌いの原因になってしまうこともあるのです。ひとりひとり口の中の環境はちがいますので、個々にあった歯ブラシを選ぶことが必要になってきます。  

「歯ブラシが使いにくいな」「磨いてるつもりなのに汚れが落ちてない・・・」「なんでうちの子は歯磨きを嫌がるの?」など思い当たることがあれば、一度真剣に歯ブラシ選びをしてみてください。

2.歯ブラシ選びのポイント

歯ブラシなどの清掃用具を選ぶときは、歯ブラシ自体の形状やどのような目的で使いたいのかを考えながら選ぶのがよいでしょう。また、子供のうちは口の中の変化が著しいので年齢別に分けて考えるのもポイントです。

2-1.歯ブラシの形状

1.毛質

歯ブラシの毛は「やわらかめ」という表示のあるものを選びましょう。乳歯は表面のエナメル質が永久歯にくらべるともろく傷つきやすいです。エナメル質に傷をつけないことデリケートな歯肉を傷つけないような配慮が必要です。

2.毛先

毛先が平らにカットされているものを選びましょう。平らになっているものは、歯磨きのときにかかる圧力が均等になり汚れが落としやすいというメリットがあります。

3.毛の長さ

1cm以下の短いものを選びましょう。毛が長いと歯ブラシを上手にコントロールすることが出来ないため子供では、歯に毛先をしっかり当てることが難しくなります。

4.ヘッドの大きさ

子供の口の大きさに合せて小さいものを選びましょう。口の中で小回りがきくので磨きやすいです。

5.柄の形と長さ

乳児のうちは握る力が弱いため柄の形状が丸くふっくらとしているものも握りやすいようですが、基本的には四角い板状のもので子供の手で握ったときに口に入る部分の長さが奥歯まで届く15~16cmくらいが理想です。太さが均一な円柱形のように丸いものだと手の中で歯ブラシが回転して安定しません。また、長すぎる柄は喉の奥まで入り込み事故につながる恐れがあります。しかし、中には手の大きい子供もいますので購入時に一度握らせてみるといいですね。手で柄の部分が全て隠れてしまうようなら、奥歯までブラシが当たらず磨き残しの原因になりますので、少し長めでもいいでしょう。

2-2.それぞれの状態に合わせた歯ブラシ選び

上記に述べた歯ブラシの形状が基本ですが、口の中がどの状態でも同じ歯ブラシが良いというわけではありません。効率的かつ確実に汚れを落とすためには基本の選び方プラス以下のことも併せて選ぶことをお勧めします。

1.矯正用の歯ブラシ

ブラシの真ん中の列の毛が短く、外側の列の毛が長く植毛されているのが特徴です。それは、短い毛は歯に取り付けた装置を磨き、外側の毛は歯の表面を磨くという、双方が一緒にお手入れ出来るようになっています。 虫歯予防用の歯ブラシのような全ての毛が同じ長さのものだと、矯正装置が付いているため毛先が歯の表面に上手くあたりません。そのまま強引に磨くと、装置がはずれてしまう可能性がありますので危険です。

2.仕上げ磨き用の歯ブラシ

仕上げ磨き用の歯ブラシは通常の子供用のものと比べてさらにヘッドが小さく、子供の小さな口の中も磨きやすく作られています。逆に柄は長くなっており大人が持ちやすくなっているのも特徴です。子供用の柄の短い歯ブラシだと大人の手には小さく磨きにくいです。また、子供が噛んでしまった毛先の乱れた歯ブラシだと綺麗に汚れが落とせません。そのため、子供用の歯ブラシと仕上げ磨き用の歯ブラシの2本を用意するのが望ましいです。

2-3.市販品と歯科専売品特徴

基本的には市販されている歯ブラシと、歯科医院で売られている歯ブラシの品質はさほど大差はないといわれています。では、それぞれの特徴を見ていきましょう。

1.市販品

・一般的な設計

・ドラッグストア等に置かれる

・自己判断で選ぶ ・使用方法は自己流

2.歯科専売品

・症状に特化していて種類が多い

・基本的には歯科医院内でしか売っていない

・歯科医師や歯科衛生士が症状にあった歯ブラシを選んでくれる

・歯科医師や歯科衛生士が効果的な使用方法を指導してくれる

ドラッグストアやスーパーなどに行けば種類も豊富で市販品の方が手に取りやすいかもしれませんが、わざわざ歯科医院で歯ブラシを買うメリットは口の中の状態を直接診察した上で本人に合った歯ブラシを専門家が選んでくれることや使い方を指導してくれるということがあります。

2-4.気に入ったもの

子供の歯ブラシ選びは、本人が気に入ったもので磨く!というのも一つのポイントです。子供にとって、自分専用の歯ブラシは特別なものです。大好きなキャラクターが入っている歯ブラシを使うだけで、最後まで機嫌よく磨けるなんてこともあるんです。綺麗に磨くことはもちろん大切ですが、まずは歯磨きを楽しい時間にすることを目的で選んでみてはいかがでしょうか。子供と一緒に気に入った歯ブラシを選ぶというのもいいですね。

2-5. 交換時期

歯ブラシは月1回は交換するようにしましょう。1ヶ月くらい経つと毛先が広がってきます。広がったままの歯ブラシを使用していると、歯や歯茎を傷つけてしまったり、毛が抜けて飲み込んでしまったり、綺麗に汚れを落とすことが出来ません。また、毛先が開いていなくても、長期間使用していると毛先の弾力が衰えて歯垢を落とす力が弱まります。さらに、磨き終わった後の湿った毛は雑菌が繁殖しやすく不潔です。ですから衛生的なことを考えても月1回の交換が望ましいと言われています。

3.年齢別の清掃用具

子供は、月齢が進むにつれて身体の成長と共に歯も次々と生えてきますね。初めて歯が生えてくる生後6ヶ月頃と全ての乳歯列が揃う3歳頃とでは、歯の本数はもちろん、身体の成長具合もかなり異なります。そのため、それぞれの月齢にあった歯ブラシの選択が必要になってきます。

以下から年齢別の歯ブラシの選び方ページへ

年齢別歯ブラシの選び方<0歳から1歳まで>

年齢別歯ブラシの選び方<1歳から2歳まで>

年齢別歯ブラシの選び方<3歳から4歳まで>

年齢別歯ブラシの選び方<5歳から6歳まで>

4.歯ブラシでおきる事故

歯ブラシの選び方と同じくらい注意しなければいけないのが、子供の歯磨き中の事故です。この歯磨き中の事故は意外と多く、大人が目をはなしている隙に起こる事が大半です。

4-1.子供が歯磨きをしている間は目を離さない

歩き回ったり、歯磨きをしながら遊び始めたりと、子供はじっとしてはいられないものです。大人がしっかりと見守ってあげるようにしましょう。

4-2.体勢の保てない不安定な場所で歯磨きをさせない

踏み台に立つ、ふかふかのクッションに座る体勢での歯磨きも危険です。必ず障害物のない平らな場所で磨くようにしましょう。

4-3.大人用の歯ブラシは子供の手の届かないところに保管する

子供は色々なものに興味をもつため、大人が磨いている歯ブラシをくわえてしまうことがあります。大人用の歯ブラシは、子供用に比べて柄が長く、口の中に刺さってしまっては非常に危険です。必ず、子供の手の届かないところに保管しましょう。

5.まとめ

歯ブラシには目的別、年齢別など色々な種類で分けることができます。それぞれに合った歯ブラシを選ぶことは、口の中の様々なトラブルを避けたり綺麗に汚れを落とし口から全身の健康へと繋がりますのでとても重要です。子供の成長に合わせて選び、買い替え、最もふさわしい製品を選択してあげましょう。

また、どんなに自分に合っているものを使ってケアをしていても100パーセント汚れを落とす事は不可能です。定期的に歯科医院に検診へ行き、プロのケアとアドバイスを受けてくださいね。

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