お口のQ&A

噛む回数が重要!顎の発達や虫歯予防を促す食事!

堅いものを食べると良いと聞くけどほんと?

はい。噛む回数が増えることで顎の発達や虫歯予防などさまざまなよいことにつながります!

食生活の欧米化が進み、人類が誕生した原始時代に比べて現代人は噛む回数が6分の1に減少したといわれています。大昔は加工された食べものがないため、自分の歯でしっかり噛み砕いて食べなければならなかったのですが、今は加工食や冷凍食品なども豊富で、あまり噛まなくても食事ができる環境にあります。あまり噛まないと顎の成長を促すことができず、狭い顎に歯が並びきれないために歯並びが悪くなってしまいます。堅いものを食べることで自然と噛む回数が増え、顎の成長を促してくれるのです。

また、よく噛むことで唾液の分泌を促します。唾液には自浄作用(じじょうさよう)といってお口の中を中和して自分の力でお掃除をする効果があります。堅いものを噛んで噛む回数が増えれば、唾液腺を刺激し分泌量が増え、お口を綺麗にしてくれるので虫歯のリスクを低下させることができます。さらに、唾液に含まれるペルオキシダーゼという成分には、食品中の発がん性を抑えてくれる働きがあるとされています。 他にも、よく噛んで食べると満腹中枢を刺激してくれるのでダイエットにも効果的ですし、顎をよく動かすことでこめかみ付近が刺激され脳への血流がよくなり脳を活性化にもつながります。

 

あまり噛まないで丸呑みしてしまう時の対処法は?

丸呑みの原因に合わせて対処してあげましょう。

離乳食が「カミカミ期」や「モグモグ期」と呼ばれる、固形のものを噛んで食べることができる段階になると、中にはあまり噛まずにすぐに丸呑みしてしまうという悩みをよく聞きます。こうなるのには2通り考えられます。ひとつは食欲旺盛がゆえに急いで食べてしまいがちであまり噛まない場合と、離乳食の初期である「ゴックン」を上手に習得できないまま次の段階に進めてしまっている場合です。

食欲が旺盛が故に丸のみしている場合は、食べること自体に意欲は十分にあるのですから、ちょっとした工夫で解決することが多いです。「食材を大きくする」のです。 歯茎や舌、歯を使って噛み砕かないと飲み込めない大きさのまま食事を与えてみてください。たとえば野菜も細かく刻み過ぎるのではなく大きめにカットしたり、おにぎりやパンも手で持って数口かじりとらないと食べきれない大きさにしたりといった具合です。 ただし大きめの食材は喉に詰まらせると危険なため、かならず1人で食べさせることがないように注意しましょう。

お口の機能が備わっていないために丸呑みになっている場合は、ひとつ前の段階に戻して様子を見てあげましょう。離乳食は月齢に合わせて進めるものではありませんから、お子さんのお口の機能の発達に合わせて食材の調理を工夫してあげてください。噛む機能が育てば自然と丸呑みも改善されることが多いようです。

噛む回数を増やすために良い食事を教えてください

食材そのものを取り入れる方法と、調理法を工夫することでも回数を増やす事ができます。

噛む回数を増やすためには、「噛み応えのあるたべもの」を取り入れましょう。

たとえばスルメやおやつ昆布、いりこなどをおやつに与えてあげるとよいですね。 軟らかいおやつを食べるよりも噛む回数も増えますし、糖分もないので虫歯予防にも効果的ですよ。 食事では、根菜類(ゴボウ、レンコン、ニンジンなど)や肉など噛み応えのある食材を意識して取り入れることです。

あまり細かく刻んだりせず、喉に詰まらせない程度の大きさで歯や舌をしっかり使えるよう工夫したサイズで出してあげましょう。

ハンバーグなど噛み応えの少ない調理のものであれば、中にゴボウやレンコンを刻んで入れたり、ミンチを使うのではなく自身で肉を叩いてミンチ状にしたものを使うなど、普通のハンバーグよりも噛み応えのある工夫を意識したりするのもよいですね。 お子さんが小さいうちはつい食材を食べやすくしてあげようと細かくしがちですが、自身で「噛む」という機能を育てるには、食材は大きめにすることを意識いていただくとよいでしょう。

「遊び食べ」をして食事が進みません。どうしたらいい?

食事が進まない原因を解明し、原因に合った対処法を試してみましょう。

子どもは好奇心が旺盛ですから、食事よりも気になることがあると意識をむけてしまいがちです。

食べさせることに必死になってしまい、お子さんがキョロキョロしている状態でもお口に食べものを入れたり、スプーンをお口の中で擦切るようにして無理に食べさせたりしていませんか? お子さん自身が空腹を感じて「食べたい!」と思う意欲を引き出してあげることが重要です。テレビやおもちゃなど、気が散漫になりそうなものは片付けていますか?お腹が空いていないのに無理に押し込んでいませんか?落ち着いた環境で意識が食事に向くようにしてあげましょう。

それでも集中が途切れてしまう時は無理に食べさせず、思い切って辞めてもOK。意識がママの方に向いたらスプーンを差し出すようにしていくと、「今は食事時間」だという切り替えができるようになります。 もう少し大きくなって自立心が芽生えると、食べたくないと思ったら席を離れたり上半身がそわそわ動いて落ち着かないというようなお子さんもいるでしょう。

お話しを理解できるようになったら、なぜ食べたくないのか理由を聞いてみます。

「食べなきゃダメ」という言葉かけは控え、お子さんの言い分をまずは認めてあげましょう。 そして「遊びたいのね。じゃあ5回食べたら遊んでいいよ」といったように、具体的に解りやすい数字なお約束を提案して食事時間の大切さを意識付けしていきましょう。

「食事」というものは、全部食べさせることが重要なのではなく、自分で「お腹が空いたから食べたい」という食欲を感じさせてあげることがポイントです。そして集中できる環境と「食事を楽しむ」工夫も盛り込んでみてくださいね。

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