こんにちは!418編集部 歯科衛生士のmonです。
- 「うちの子、食べるのがとにかく遅い……」
- 「いつまでも口の中に食べ物が残っている」
- 「硬いものを嫌がって、やわらかいものばかり食べたがる」
- 「よく噛まずに飲み込んでいる気がする」
子どもの食事について、こんなお悩みはありませんか?
ママやパパからもよく受けるお悩みです。
食べるのが遅いと、「食べることに興味がないのかな?」「好き嫌いが多いからかな?」と思ってしまうかもしれません。
しかし、実は食べるスピードや食べ方には、お口の機能が関係していることがあります。
そこで今回は、子どもの「食べる」という動作と、噛む力・口腔機能の関係についてお話ししたいと思います。
「食べる」は、実は複雑な動作です

私たちは普段、何気なく食事をしています。
食べ物を口に入れたら、噛んで、唾液と混ぜて、飲み込みやすい状態にして、飲み込む。
簡単なように思えますが、実際には歯・舌・頬・唇など、口のさまざまな部分を連携させながら行うとても複雑な動作です。
特に子どもの場合は、成長とともに少しずつ「食べるための機能」が発達していきます。
そのため、口の周りの筋肉や舌の動かし方、噛む力などが十分に発達していないと、食事に時間がかかったり、食べにくさにつながったりすることがあります。
「食べるのが遅い」子どもに見られること

たとえば、次のような様子はありませんか?
・一口が大きい
・なかなか飲み込まない
・口の中に食べ物をためてしまう
・よく噛まずに飲み込む
・硬いものを嫌がる
・やわらかいものばかり好む
・食べ物を口からこぼす
・食事中に口が開いていることが多い
・左右どちらか一方ばかりで噛んでいる
もちろん、これらがあるからといって、必ず口腔機能に問題があるというわけではありません。
ただ、いくつか当てはまる場合には、「食べ方」に目を向けてみることも大切です。
噛む力が弱いと、食事に時間がかかることも

食べ物をしっかり噛むためには、歯で食べ物を細かくするだけではなく、舌や頬を上手に使う必要があります。
舌で食べ物を左右の歯へ運び、歯で噛み、頬や舌を使って食べ物をまとめ、飲み込みやすい状態にしていきます。
この一連の動きがスムーズにできると、食事も進みやすくなります。
一方で、噛むことが苦手だったり、舌をうまく動かせなかったりすると、食べ物をまとめるのに時間がかかり、結果として「いつまでも食べ終わらない」という状態につながることがあります。
また、故意に硬い食べ物を避けて、やわらかく食べやすいものを好むようになってしまうこともあります。
「丸飲み」になっていませんか?
食事の様子を見ていて、「あまり噛んでいないのでは?」と感じることはありませんか?
よく噛まずに飲み込む、いわゆる「丸飲み」が習慣になっている場合、噛む経験そのものが少なくなってしまいます。
特に、やわらかい食事ばかりが続くと、あまり噛まなくても飲み込めてしまいます。
だからといって、いきなり硬いものをたくさん食べさせればよいというわけではありません。
大切なのは、子どもの成長や口の発達に合わせて、無理なく噛む経験を増やしていくことです。
「よく噛んで!」だけでは難しいことも
子どもに「よく噛んで食べなさい」と声をかけることは多いと思います。
でも、ただ「噛んで」と言われても、どうすればいいのかわからない子もいます。
そこで、普段の食事の中で自然に噛む経験を増やしてみましょう。
よく噛むことにつながる工夫をご紹介します。
食材の大きさや硬さを少し工夫する
年齢や発達に合わせて、ある程度噛む必要がある食材を取り入れてみましょう。
根菜類やきのこ、海藻など、さまざまな食感の食材を経験することも大切です。
ただし、硬さや大きさは子どもの発達に合わせる必要があります。無理に硬いものを与えるのではなく、「少し噛めば食べられる」くらいから始めるのがおすすめです。
一口の量を見直してみる
一度にたくさんの食べ物を口に入れてしまうと、口の中で食べ物を動かしにくくなり、うまく噛めないことがあります。そのため、「一口を少なめにする」ことも、食べやすくする工夫の一つです。
ただし、小さくしすぎることが、必ずしも良いとは限りません。食べ物を小さくしすぎると、「自分はこのくらいなら噛んで食べられる」という一口の量を覚える機会が少なくなってしまうことがあります。
「もしかして、あまり噛まずに丸飲みしているかも?」と感じる場合には、喉につかえない安全な大きさの範囲で、少し大きめに切った食材を自分でかじって食べる経験を取り入れてみるのもよいでしょう。
自分でかじることで、「どのくらいの量を口に入れれば食べやすいのか」を少しずつ覚え、自分に合った一口の量を身につけることにもつながります。
食事中は急かしすぎない
子どもに「よく噛んで食べなさい」と声をかけることは多いと思います。でも、ただ「噛んで」と言われても、どうすればいいのかわからない子もいます。
そこで、普段の食事の中で自然に噛む経験を増やしてみましょう。食材の大きさや硬さ、食感などを工夫し、年齢や発達に合わせて、少し噛みごたえのあるものを取り入れるのもおすすめです。
また、自分で食べ物をかじることで、一口の量を覚え、噛むことを意識するきっかけにもなります。
無理に「たくさん噛ませる」のではなく、毎日の食事の中で、楽しく噛む経験を積み重ねていくことが大切です。
よく噛むことにつながる工夫を、できることから取り入れてみましょう。
食べる量だけでなく「食べ方」にも注目を
子どもの食事を見ていると、「好き嫌い」や「どのくらい食べたか」に目が行きがちです。でも、実は「どのように食べているか」を見ることも大切です。
「ちゃんと噛めているかな?」「舌を上手に使えているかな?」「口を閉じて飲み込めているかな?」「左右の歯を使って噛んでいるかな?」など、普段の食事の様子を少し意識して見てみましょう。
食べ方に注目することで、これまで気づかなかった子どものお口の使い方や、成長の様子が見えてくるかもしれません。
こんなときは専門家に相談してみましょう

食べるのが極端に遅い状態が続いている、硬いものをほとんど食べられない、食べ物を頻繁に口からこぼす、むせることが多いなど、気になる様子がある場合には、自己判断で無理に改善しようとせず、歯科医院などで相談してみるのも一つの方法です。
子どもの「食べる力」は、歯が生えてくるだけで自然に完成するものではありません。
噛む、舌で動かす、まとめる、飲み込む――。
こうした経験を積み重ねながら、少しずつ発達していきます。
「食べるのが遅い」という一つの行動の中にも、子どものお口の成長を知るヒントが隠れていることがあります。
毎日の食事は、子どものお口を育てる大切な時間です。
まずは今日の食卓で、「何を食べたか」だけでなく「どうやって食べているか」を、少し観察してみてはいかがでしょうか。