「乳歯が抜けたら根っこの先がありません。まだ歯茎の中に残ってるんでしょうか?」 このように心配され、歯科医院を来院するケースがよくみられます。
乳歯の根っこは歯茎の中で吸収されて抜けるので、歯ぐきの中に残ることはほとんどありません。この乳歯が抜ける仕組みを、ぜひパパ・ママに知っていただきたいと思います。
乳歯は歯ぐきの中で根っこがだんだん吸収されて抜けます
乳歯の真下には、後続の永久歯の素(歯胚)が作られています。永久歯が形成され、生え変わりの時期が近づくと、頭がだんだん上ってきて乳歯の根っこを押し始めます。その刺激で、乳歯の根っこの組織がだんだん吸収され、短くなっていきます。
やがて歯ぐきの上に出ている頭だけの状態になると、支えがなくなり抜け落ちるというプロセスです。
乳歯が頭だけの状態で抜けるため、「根っこは折れて歯ぐきの中に残っているんじゃないの?」と心配される方もいますが、そのようなことはほとんどありません。
永久歯の頭を「乳歯が折れてしまった!」と勘違いすることも…
乳歯が抜けると最初は、生えていた部分の歯茎に少し穴が開いていることがあります。 そこに堅くて白い歯のようなものが見えるので「根っこが残っているのでは?」と思われがちなようです。
これは先ほどお話しした後続の永久歯の頭が次に控えてそこまで上がってきているのが見えているという状態がほとんどなので心配いりません。
では、歯の根っこが残っている可能性はゼロなの?
ただ、歯ぐきに根っこが残るというケースは全くないというわけではありません。 永久歯が乳歯を順当に押し上げきれず、乳歯の根っこが一部分だけ残ってしまうこともあります。薄くてもろくなった乳歯の根っこが中で割れて残ってしまうというケースもごく稀ですがあるのです。
歯の根っこが残っていたらどうする?
もしもそうなった場合、気づいた際には歯科医院でレントゲン撮影で確認して除去したりすることもできます。 また、気づかない場合でも、「しばらく経って歯ぐきから外へと押し出されてきた。」なんてケースもあるんですよ。 気になるときは早めに確認! もしも根っこが残っていないか気になったり、歯ぐきが何もないのに炎症を起こしたり痛んだりというようなことがあれば歯科医院に相談してみましょう。もし違っていたとしても、しっかりプロの目で確認してもらえれば安心ですよ。