虫歯ができてしまったら=削って詰め物をするが当たり前だと思っていませんか? 実は初期虫歯は削らずに様子を見るのですが、痛みやしみるなどの症状がないため気づきにくく、気づいてから歯科医院に来たころには、すでに削らなくてはならない進行度になっているというのが現状です。
初期段階の虫歯は削りません!
「初期虫歯」とは、歯の表面が脱灰(だっかい)といって溶け始めた状態をいいます。まだ穴にはなっていませんが、歯の表面が肉眼では確認できない程度粗造になっています。この時期であれば、削らなくても正しいケアをおこなうことで、「再石灰化(さいせっかいか)」できます。歯の表面を修復したり現状を維持することができ、削る必要はないのです。
虫歯を削らずに現状維持するためには…
初期虫歯で歯の表面から失われてしまった「カルシウム」や「リン」を補給することで、歯の表面の溶けかけた部分を「再石灰化」することができます。そのために一番効果的なのがフッ素です。フッ素は歯質を強化する効果が期待できる虫歯予防法として有名ですが、初期虫歯の再石灰化にも効果が期待できます。つまり、歯科医院でフッ素塗布を受けたり、日々の歯みがきで歯みがき剤やフッ素ジェルなどを使い続けることで虫歯の進行を抑制してくれる効果もあります。
進行してしまったらどうする?
残念ながら初期虫歯が進行してしまい、歯の表面のエナメル質を通過して穴が開いてしまうと、フッ素では進行を抑制できなくなってしまいます。
削って治療をおこないます
歯の内部「象牙質」に虫歯が達すると、虫歯で侵されてしまった組織を削って埋める「治療」が必要になります。穴は詰め物で塞がりますが、削られた歯質は再生することはありません。同じ削ることになった虫歯でも、できるだけ早い段階で治療するのとしばらく経って治療するのとでは削る範囲も大きく違うため、早期発見・早期治療がとても大切です。
2次的虫歯に注意が必要です
また、一度削った場所は、歯質と詰め物の間から2次的な虫歯になる割合が高くなってしまいます。歯と歯の間や詰め物の下は自分で確認しにくい場所で、気づかないうちに詰め物の下で虫歯が進行していることも。治療後もしっかりとメンテナンスが必要になるのです。
定期検診での「早期発見」がポイント
虫歯は初期段階であれば削らないで済むこともありますし、もし削ることになっても早期発見であれば削る範囲もごくわずかで済みます。初期虫歯は痛みもなく見た目もわかりません。削らずに対処する、または早期に負担の軽い治療で済むためには、歯科で定期検診や虫歯予防処置を受けることをオススメします!