最近は自然な呼吸を「口」でおこなうお子さんが増えています。
本来、自然な呼吸は「鼻」でおこなわれます。「呼吸できているのだから鼻でも口でもいいのでは?」と思いがちですが、実は、口呼吸は鼻呼吸よりも虫歯のリスクが高くなってしまうんです。なぜなのでしょうか?
口で呼吸しているとなぜ虫歯になりやすいのか
口をずっと開けっ放し、つまり「口呼吸」が日常化している方は、お口の中が乾燥しやすい状況になってしまいます。乾燥して唾液が少ないお口の中は、口内の常在菌が繁殖しやすい環境になっているのです。
殺菌作用が働きにくくなります
唾液には殺菌作用があり、お口を潤していることで口内細菌が増殖するのを防ぐ働きがあります。
唾液が少なければ、虫歯の原因菌を含む口腔内常在菌はどんどん増殖してしまいます。
自浄作用もおこなわれにくくなります
また、唾液は食物が口内に取り込まれた際の消化液の役割もおこないます。
お口の中に食物残渣が残りにくいように、食物と相まって喉の方へ送り込みやすい状態にする作用や、歯の表面を洗い流してくれる作用(自浄作用)がありますが、この作用が口内の乾燥によって働きにくくなります。
そうなればお口の中はなかなか中和せず酸性になりやすく、虫歯の原因菌が増殖し、歯が酸によって溶かされるため、虫歯になるリスクは高くなってしまいます。
なぜ今「口呼吸」が増えているのでしょうか?
人間は本来口を閉じた状態で、舌が上顎に引き上げられており、鼻で呼吸をおこないます。
このため、鼻から入った空気中に細菌やウイルスが混じっていたとしても、鼻の持つフィルター効果で、体内に異物が侵入しないようにしているのです。
現代人はこの機能が衰え、口もとが緩く「ポカーン」と開きがちになり、口で呼吸擦る人が増えています。
なぜ口元が緩いの?
産まれてすぐに母乳を吸うことから始まり、全身の機能を使って成長しながら口周辺の筋肉や顎の骨の成長を促します。 便利な世の中になった分だけ身体の機能も使わなくなったり、食事も楽に噛める柔らかい「欧米食」が増えたことで、どんどん機能が弱くなる傾向にあるのでしょう。
口の機能を育てることも虫歯予防に繋がっています!
お口がポカーンと開いてしまうことで口内環境が悪くなると、虫歯だけでなく歯周病や歯並びにも悪影響を招きます。歯周病や不正歯列が原因で虫歯になることもあり、悪循環になることも。 お口をしっかり閉じて鼻呼吸ができるように機能を育てることで、虫歯の無い健康なお口を目指しましょう!