お口の健康コラム

メカニズムや原因を知れば「虫歯」は予防できるって知っていますか?

みなさんはどれくらい「虫歯」について理解していますか??
今回はみなさんが意外と知らない「虫歯」について考えてみましょう。

知っていますか?ほんとうの「虫歯ができる原因」

虫歯は甘いものを食べだけでできるわけではないんです!

虫歯はお砂糖(甘いもの)でできるというイメージ、ありませんか?実は甘いものを食べたというだけでは、虫歯はできないんです。

人間が食べ物や飲み物を口にすると、お口の中ではさまざまな変化が始まります。

まずはお口の中に常在している虫歯の原因菌が食べ物の糖分をエサにする際に、酸が作られます。そして細菌たちは歯垢(しこう)という物質となり、歯の表面に付着して増殖します。

お口の中が酸性の状態になっている時間が長かったり、歯垢が付着したままになっていると、歯の表面は酸で溶かされはじめます。これが「虫歯」の始まりかたです。

虫歯ができるための条件 「カイスの輪」

虫歯は、ある4つの条件が揃うことによって発生します。

まずは虫歯になる場所である「歯」があることはもちろんですが、お口の中に虫歯の原因となる「菌」が存在していること。これはほとんどの人があって当たり前の環境です。

そこに糖分が摂り込まれると、お口に常在していた虫歯菌がエサにするために分解して酸を作り出します。歯は酸に弱いため、お口の中が酸にさらされている「時間」が長く続くことによって虫歯になってしまうのです。

そして、この4つの条件が合いまった状態を表す図形を「カイスの輪」と呼んでいます。

カイスの輪を作らないようにすることがポイント!

虫歯ができる条件を、一つでも無くすことができれば、虫歯を予防することができます。

歯と細菌を無くすことは難しいので、「糖質」と「時間」をコントロールしてあげることにしましょう! お口の中に糖質が摂り込まれると、それまで中性だったお口の中は、虫歯菌の作り出した酸によって酸性になってしまいます。通常は唾液の持っている自浄作用(じじょうさよう)という修復機能で、徐々に元の中性に戻してくれます。

しかし修復しようとしているのにまた食べてしまったり、歯磨きを怠ってしまうことで、お口の中が酸性で歯が溶けやすい環境が長く続き虫歯になってしまいます。

おやつや食事で摂取する糖分の量を控えるだけではなく、お口の中が酸性になっている時間を減らすために、ダラダラと長時間食べるという食べ方はしないようにするなどの工夫を心掛けてみてくださいね。

虫歯のできかたにはいくつかの種類があるのです

虫歯は必ずしも黒くて穴が開いているわけではなかった!

虫歯は進行のしかたによってさまざま。決してすべてが黒く目立った穴になるわけではありません。

たとえば初期の虫歯は色が付くことはなく、穴も目立たず肉眼ではほとんどわからない程です。

そして進行が早い虫歯は色が付きにくく歯の透明感が無くなり白濁し、進行がゆっくりな虫歯は着色しやすいので、茶色や黒っぽく変色して目立った虫歯になります。

なぜ同じ虫歯なのに色の付き方が違うの?

虫歯の進行はさまざまで、たとえば清涼飲料水や野菜ジュースなどを常飲していたことによって、お口の中が酸性である時間が長く、一気に虫歯が進行してしまった場合。歯は一気に溶けた状態になり、白濁した色をしています。

また、歯磨きが不十分で、歯垢が同じ場所にずっと付着。その歯垢の下でジワジワと虫歯が進行している場合には、一旦溶けた部分が再石灰化(修復)しようとする際に色素などを摂り込んでしまうことがあります。

乳幼児期にみられる「ボトルカリエス」

上の前歯全体が溶けたような状態の虫歯が、乳幼児に見られることがあります。

これを「ボトルカリエス」といい、ミルクなどの飲み物を哺乳瓶で常飲している場合や、ダラダラと母乳を飲んでいる場合に、前歯全体が酸の影響を受けて発生します。

色が付いていることはほとんどなく、色も白っぽいので気づかないうちに進行してしまっていることが多いのが特徴です。

中高生に多い「ランパントカリエス」

部活動が始まったり塾で遅くに食事を摂るというお子様が増える中学生以降の時期。

この頃は清涼飲料水を常飲したり、食事の時間が一定でないなどの生活のバランスが乱れてしまいがちです。

小学生の頃のように、保護者が仕上げみがきをするというような機会もほとんどなくなりますので、自己管理がうまくいかずいきなり虫歯が増えるというお子さんが増える時期でもあります。

虫歯は知らないうちに進行してしまうことが多いのです!

虫歯と言えばどうしても「黒い穴」というイメージですし、初期は穴も痛みも無いため気付きにくく、いざ気付いたときには大きな虫歯になっているというケースも多くあります。

「虫歯は見た目では解りにくい段階のものもある」ということを、是非覚えておいてくださいね。

そして見つかった時点での虫歯に合う対処法で、しっかりとケアしていただきたいと思います。

虫歯は進行具合で対処法が違うのをご存知でしたか?

虫歯は進行具合で5つの段階に別けられています

歯科では、虫歯の段階を「C0~C4」までの5段階で表しています。

その段階によって、虫歯への対処法や、治療が必要か否か、歯を残せるかどうかという判断基準や治療方法を分けているのです。

歯科検診で歯科医師が「C~」と言っているのはこのことなのです。

「C0」は虫歯の初期段階

歯は表面をエナメル質という硬い層で覆っています。まずはこのエナメル質の表面が溶け始め、白く濁り始めた時点で留まっている虫歯を「C0」とよびます。この時点ではまだ痛みを感じることはありません。

この時期は、唾液によって再石灰化(さいせっかいか)という修復機能が作用し、進行がストップする可能性も大きいため、虫歯治療はせずに様子をみて注意勧告する程度です。

「C1」はエナメル質に穴ができ始めた段階

溶け始めたエナメル質の修復が追い付かず、表面に小さな穴ができてしまった状態です。

とはいえ、まだ虫歯はエナメル質にとどまっていますので、痛みを感じることはありません。

溶け始めてツルンとした光沢感の無くなった表面を研磨したり、再石灰化を期待してフッ素塗布などをおこなって様子を見る場合や、穴ができてしまった部分があれば少し削って埋める簡単な治療で済ませるというような処置で様子を見ます。

「C2」は象牙質まで虫歯が進んでしまった段階

エナメル質の下は、象牙質(ぞうげしつ)という層になっています。

虫歯が進行し、エナメル質から象牙質に届いてしまう深さまでになると、虫歯は横に大きく広がり始めます。

象牙質は、中央に歯髄(しずい)と呼ばれる神経が走っています。象牙質に虫歯が達すると刺激が象牙質を伝って歯髄まで届くため、冷たいものや温かい食べ物を食べた拍子に痛みを感じるようになります。

虫歯は表面から見たよりも中で大きく広がっているため大きく削る必要があり、深い虫歯になると型取りをして銀製の詰め物を入れることになる場合があります。

「C3」は歯の神経まで虫歯が到達してしまった段階

虫歯が神経まで到達してしまうと、さまざまな刺激がダイレクトに伝わるようになります。

食事の際に起こる「ズキン!」と走る激痛や、何もしていなくても脈打つような「ズキンズキン」という痛みを伴うようになってしまうのです。

そしてそのまま放っておくと神経は死んでしまい、一旦痛みが引くので「治ったのかな?」と勘違いする方もいます。

死んでしまった神経を放置すると歯ぐきの中で膿が溜まることもあり、ここまでくると神経を抜かなくてはならなくなってしまいます。

神経を抜いた後は、歯の根っこが十分回復するまで治療してから被せものをしなくてはならないため、治療期間が1か月~2か月と長くかかってしまう可能性が高くなります。

「C4」は歯の頭の部分もほぼ無くなって根っこだけになってしまった段階

歯が根っこだけの状態になっているということは、すでに神経も死んでしまっていることでしょうし、残しておくことがなかなか難しくなってしまいます。

大人の歯はもう生え変わることがありませんので、部分入れ歯で補うか、両隣の歯を少し削って3本連結した「ブリッジ」という装置を被せる。または人工的な破の根っこを土台とする手術を行い人工歯を被せる「インプラント」などに頼らなくてはならなくなってしまいます。

だからこそ、初期段階での虫歯に対する対処は重要!

上記のように、それぞれの段階で虫歯の特徴や治療方法に違いがあります。 ご覧いただければ解るように、虫歯は進行すればするほど治療期間もかかり、大変な事態に繋がりかねません。 「虫歯かな?」とちょっとでも気になったら、まずはしっかりとプロの目で確かめてもらうことをおすすめします。

「なりやすい・なりにくい」は何が要因?

虫歯には「なりやすさ」があるのです!

たとえば同じ生活をしている姉妹でも虫歯になりやすい人、なりにくい人がいるように、虫歯にはカイスの輪の条件の他にも「なりやすさ」にさまざまな要素が関連します。 この違いは一体何なのでしょう。どんな条件が虫歯になりやすい体質となるのでしょうか?

虫歯は遺伝するの?

よく「自分が幼いころ虫歯になりやすかったのでこの子も…」と心配されるパパやママがいます。虫歯って遺伝するのでしょうか?

産まれてすぐの赤ちゃんは、無菌状態です。虫歯になりやすさは遺伝するのではなく、生後赤ちゃんが成長する中で虫歯菌に感染してお口の中に保菌します。

赤ちゃんが食事する時のスプーンやお箸の共有や、キスなどのスキンシップによって、身の回りにいる人から伝播します。

一度菌を貰うと、虫歯菌をゼロにすることは難しく、保菌していればいずれは虫歯になる可能性のあるお口になったということです。

遺伝性はありませんが、確かに虫歯になりやすい環境であるパパやママにお世話をしてもらっている赤ちゃんは、虫歯菌を貰う確率は高いといえます。そこで、赤ちゃんを授かった際には、産まれてくるまでにパパやママのお口の環境を整えて頂きたいと思います。

虫歯はお口の環境でできやすいかどうかが変わる?!

では具体的に「お口の環境を整える」とはどんなことがあるのでしょうか?

カイスの輪の条件が整わないようにするため、しっかりと歯みがきして歯垢をお口に残さないようにすることはもちろんですが、実は、それ以外にも「唾液」の性質によって虫歯のできやすさが変わります。

お口の中が酸性に傾き、歯が溶けやすい環境になっても、唾液の持つ「緩衝能力」が中和する働きをしてくれます。

また、サラサラした唾液が沢山分泌することによって、自浄作用(じじょうさよう)が働き、歯に残った汚れを洗い流してくれる効果もあるのです。

ですから、粘液性のないサラサラした唾液が沢山分泌している人は、粘液性の強い唾液の人や唾液分泌が少ない人に比べると、同じ生活環境であっても虫歯ができにくいのです。

歯並びも虫歯のできやすさに影響する

歯並びが綺麗でしっかり毎日歯磨きしているという人でも、歯ブラシだけでの清掃では約60%程度の汚れしか落とせていないというデータがあります。

歯と歯の間のような歯ブラシの毛先が届かない部分には、どうしても歯垢が残ってしまうのです。

ですから、歯並びが悪く、重なっている部分や凸凹している部分があれば、なおさら汚れが残りやすくなってしまい、虫歯になるリスクも高くなってしまいます。

生活習慣の変化で虫歯のできやすい環境になることも

小学生の時までは規則正しい食生活を送っていたのに、中高生になって塾や部活で忙しくなり、食事の時間が乱れてしまうというお子さんは多いでしょう。

また、大学生や社会人になって独り暮らしになった人や、大人になりお酒などの趣向品が増えたりといった生活環境の変化も、虫歯になるリスクが高くなる可能性があります。

無理に制限することも難しいでしょうが、生活環境の変化がある場合には、できることからお口へのケアや虫歯予防対策を取っておきたいものですね。

まとめ

いかがでしたか? 虫歯は必ずしも「黒い穴」というわけではなく、さまざまな発生の仕方があることがお解りいただけたと思います。

虫歯は初期の段階で治療すれば、痛みもほとんどなく回数も少なくて済みます。しかし初期段階で気づくことはなかなか難しいのが実状です。

虫歯ができるプロセスを知ることで、少しでも虫歯予防に繋げることが出来るでしょう! 次回のコラムでは、具体的な予防方法などをご紹介します♪

 

ABOUT ME
418 編集部
専門家によるお口の子育て情報配信、コラムやQ&Aで“健口”知識をわかりやすくお伝えします! 418プロジェクトは、健康と笑顔あふれる社会を目指し、虫歯予防・健康・発育・食育を楽しく学ぶプロジェクトです。一緒に虫歯ゼロ活動に取り組みましょう☆