小さなお子さんは足取りがおぼつかなかったり、よく転びがちです。また、転んだ拍子に手をつくことができず、顔から転んだりテーブルに口元や顎をぶつけるという事故も多く起こります。今回はこんな時に起こり得る歯のダメージについてご紹介。もしもの時の対処法を知っていると、回復や歯の生存確率もUPします。
口元(前歯やあご)をぶつけてしまったら…
歯の内部のダメージはわかりにくいため、見た目特に問題が無さそうでも、歯科医院で確認してもらいましょう!
触ると少し痛い程度でも受診した方がよいですか?
前歯を打撲し、歯が抜け落ちたり欠けたりといった外傷が無い場合、若干の痛みであれば様子を見る方もいるかもしれません。
しかし歯の内部で神経が損傷していたり、歯茎に隠れた部分の歯根部が破折やヒビが入っているという場合も考えられます。まずは歯科医院に連絡して受診するようにしましょう。
どんなことを調べるの?
歯科医院ではレントゲンを撮影し、歯の内部が損傷を受けていないか確認します。 歯が組織とくっ付いていたとしても、歯根部が折れている場合は温存が難しい場合もあります。
動揺が見られる場合
歯根部の損傷は問題ない場合でも歯の動揺が大きい場合には両側の歯と一緒に固定し、歯が組織としっかり結合するまで様子を見る処置を施すこともあります。
しばらく経過観察も
打撲によって神経にダメージを受けている場合、神経が壊死してしまうことがあります。すぐに症状が出る場合としばらくして神経が壊死し、数カ月後に歯が黒ずんできて神経の損傷に気付くというケースもあります。
出血や口周辺の損傷、歯の脱落などが無いからと放っておくのは危険です。
歯が抜け落ちてしまったらどうする?
不慮の事故や転倒などによって歯が根元から抜け落ちてしまうという外傷事故が起こることがあります。 すでに抜ける時期に来ているグラグラしていた乳歯が、打撲の衝撃で抜けたということであればそう心配はいりませんが、まだまだ抜ける時期ではない乳歯や永久歯であれば、早々に適切な対処をしなければ、その後の歯の寿命に大きく影響することもあります。
根元からすっぽり抜けてしまった場合
できるだけ歯の根元は触らないようにして拾い上げてください。砂などの汚れが付着していたとしてもできるだけ洗いません。泥だらけの場合は軽く流す程度。ゴシゴシ洗ってしまうと、歯の根元に残っている周辺組織を落としてしまい、再植したとしても歯が組織と結合できなくなってしまいます。
アルコールや消毒液などに浸したりするのもNG!
乾燥を避けるために体液と近い牛乳に浸すか、無い場合には可能であれば口の中に入れて歯科医院に急行しましょう。お子さんがお口に入れたままにするのは、出血や誤飲が考えられ難しい場合は、親御さんの口の中でも構いません。とにかく、歯に残っている組織が壊死しないような対処をして来院していただくことが一番です。