歯茎に白く丸いものが見えますが何ですか?
「上皮真珠」という症状の可能性が高いです
上皮真珠(じょうひしんじゅ)とは、乳歯が生える前の歯茎だけの時にできる、米粒大程度の白いコブです。丸くて白っぽいものが上皮から透けて見えるのが真珠に似ていることからこう呼ばれています。1つの場合だけでなく複数現れることもあり、産まれてすぐや生後数か月のまだ乳歯が生える前の赤ちゃんによく見られる症状。痛みは感じないようです。 上皮真珠はママのお腹の中にいるとき、赤ちゃんの歯茎の中ですでに乳歯が作られていますが、その過程で歯の表面組織であるエナメル質の一部が吸収しきれずに残ったものだと考えられています。 もしもお口の中に上皮真珠らしきものを見つけた場合、放置していても数カ月もすれば自然消滅することが多いのですが、なかなか消えないといった場合には、もしかすると先天性歯(生まれた時から生えてしまっている歯)の可能性もあります。先天性歯の場合、授乳の際に乳首損傷の原因になったり、自分のお口の中の歯茎や唇を傷つけてしまう原因になることもあります。心配な場合には歯科医院で相談してみてくださいね。
前歯をぶつけましたが、ちょっと触ると少し痛い程度です。歯医者に行かなくても大丈夫ですか?
歯の内部のダメージはわかりにくいため歯科医院で確認しておかれることをおすすめします
前歯を打撲し、歯が抜け落ちたり欠けたりといった外傷が無い場合、若干の痛みであれば様子を見る方もいるかもしれません。しかし歯の内部で神経が損傷していたり、歯茎に隠れた部分の歯根部が破折やヒビが入っているという場合も考えられます。まずは歯科医院に連絡して一度受診することをおすすめします。 歯科医院ではレントゲンを撮影し、歯の内部が損傷を受けていないか確認します。歯が組織とくっ付いていたとしても、歯根部が折れている場合は温存が難しい場合もあります。 打撲による歯根部の損傷は問題ない場合でも、歯の動揺が大きい場合には両側の歯と一緒に固定し、歯が組織としっかり結合するまで様子を見る処置を施すこともあります。 また、打撲によって神経にダメージを受けている場合、神経が壊死してしまうこともあり、すぐに痛みなどの症状が出る場合と、しばらくしてから神経が壊死し、数カ月後に歯が黒ずんできて神経の損傷に気付くというケースもあります。 お子さんの前歯の打撲はよくあることですが、出血や口周辺の損傷、歯の脱落などが無いからと放っておくのは危険です。まずは早めに歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
転んで歯が抜けました。どうしたら良いですか?
適切な対処を施してできるだけ早く歯科医院を受診します
元気いっぱいに走り回るお子さんは、健康的でとても素晴らしいことです。しかしそのような日常の行動の中で、不慮の事故や転倒などによって歯が根元から抜け落ちてしまうという外傷事故が起こることがあります。 すでに抜ける時期に来ているグラグラしていた乳歯が、打撲の衝撃で抜けたということであればそう心配はいりませんが、まだまだ抜ける時期ではない乳歯や永久歯であれば、早々に適切な対処をしなければ、その後の歯の寿命に大きく影響することもあります。 もしも歯が抜けてしまった場合は、できるだけ歯の根元は触らないようにして拾い上げてください。そして砂などの汚れが付着していたとしてもできるだけ洗いません。泥だらけの場合は軽く流す程度で。ゴシゴシと洗ってしまうと、歯の根元に残っている「歯根膜(しこんまく)」という周辺組織を落としてしまい、元の場所に再植したとしても歯が組織と結合できなくなってしまいます。また、アルコールや消毒液などに浸したりするのもNG!乾燥を避けるために体液と近い牛乳に浸すか、無い場合には可能であれば口の中に入れて歯科医院に急行しましょう。お子さんがお口に入れたままにするのは、出血や誤飲が考えられ難しい場合は、親御さんの口の中でも構いません。とにかく、歯に残っている組織が壊死しないような対処をして来院していただくことが一番です。