by 418編集部
虫歯になりやすいお子さんの親御さんから「幼いころ虫歯になりやすかったんですが、それで子供も虫歯になりやすいのでしょうか?」と言われるケースがよくあります。「虫歯は遺伝」だと勘違いされている人も多いのではないでしょうか?
生後すぐの赤ちゃんの口内は無菌です
虫歯のなりやすさは遺伝することはありません。みんな、生まれてすぐの赤ちゃん時代に虫歯の原因菌をお口の中に持っていないのです。
ですから「生まれつき虫歯になりやすい人」はいないという事になりますね。
母子感染が主な原因
実は虫歯菌は赤ちゃんの身の回りのお世話を主にする人から感染することが多いのです。赤ちゃんの食事の介助をする際にお箸やスプーンを共有することや、キスなどのスキンシップから虫歯菌が赤ちゃんの口に入り感染します。
そして一度感染した虫歯菌をゼロにすることは難しいので、将来虫歯になるリスクがあるお口になったことになります。
遺伝ではないけれど…
生まれ持っての遺伝では無いにしても、「両親が虫歯になりやすい=虫歯菌をたくさん持っている」という可能性は大きく、ご両親から虫歯になりやすい生活環境を受け継いでいるということは大いに考えられますね。
お口の中の細菌はすべて悪い菌なの?
お口の中にはなんと、300~400種類の菌がいると言われています。ただ、その菌すべてが虫歯を作る「悪い菌」ではありません。
虫歯の原因になる主な細菌は3つ
虫歯ができることに関わっている菌は主に「ストレプトコッカスミュータンス菌」、「ストレプトコッカスソブリヌス菌」、「ラクトバチラス菌」の3種類だと考えられています。直接虫歯を作り出すことに関わる菌は「ミュータンス菌」や「ソブリヌス菌」。お口の中に食べ物が入ってくることで活動を始めてしまいます。
この菌たちは糖分が大好物。分解する際に出す酸が歯が溶かしてしまうんですね。歯みがきが不十分だと歯の表面に歯垢(菌の塊)となって長期間くっついたままになるため、だんだん溶かされてしまうのです。
虫歯発生を促進してしまう菌
「ラクトバチラス歯」は直接虫歯にする作用はありませんが、ミュータンス菌やソブリヌス菌が作り出した虫歯を進行させてしまう作用を持っています。本来は炭水化物や乳酸菌飲料などにも含まれていて、体にとってとても大切な働きをしてくれる菌ですが、歯にとっては「虫歯の進行を早めてしまう菌」という点で「悪い働きを持った菌」となってしまうのです。
プラークコントロールが最大のカギ!
口内にはさまざまな菌がいて当たり前。無菌でいることの方が難しいのです。
その中で、いかに虫歯にならないように菌をコントロールすることができるかがポイント。虫歯になりやすいお父さんやお母さんは、赤ちゃんが誕生する前にお口の環境を改善するために歯科医院を受診されることをお勧めします。