歯が生えてくる時期が過ぎてもなかなか出てきませんが大丈夫ですか?
様子を見ていて大丈夫な期間かどうか、また後続歯があるかどうか歯科医院で確認してもらいましょう
育児本などに書かれている歯の生え変わり時期はあくまでも目安であり、対象の時期になかなか抜けないからといってあまり心配する必要はありません。
歯の生え始めが遅かったお子さんは、最初の乳歯が抜けるのも周りに比べて遅いといった傾向が見受けられます。もしも、抜けたの後の後続永久歯がなかなか出てこないという場合も同じで、すぐに永久歯が頭を出す場合と、しばらくたってから生えてくる場合もあります。
あまり生えるのが遅いと、永久歯が欠損しているのでは?と気にされる方もいますが、もしも気になる場合には歯科医院でレントゲンを撮ると、後続永久歯が控えているかどうかが解ります。後続永久歯がきちんと控えているのに、なかなか頭が出せないでいる場合には、抜けてどのくらい経過したかの時期によっては歯茎を切開して、永久歯が出てきやすいように処置を施すこともあります。
また、レントゲンを撮影したら後続永久歯が欠損していたという場合(先天性欠如歯)は、歯並びの乱れに影響してしまうため、生えてこない空間を補う処置が必要です。いずれにしても治療の時期や方法は歯科医師による診査・診断が必要になりますので、気になる方は一度早めに受診されることをおすすめします。
生えてきた歯の色が白濁(または黄色)していますが大丈夫ですか?
歯の質が生まれつき弱いのかもしれません
生えたばかりの歯なのに、歯の色がくすんだ感じに白濁していたり、黄色みを帯びていることがまれにあります。
これは、歯が歯茎の中で形成される過程で何らかの要因で一部分形成不全を起こし、歯の質が弱く出来上がってしまった部分です。これを「エナメル質形成不全」といいます。歯がまだ「歯胚(しはい)」といって、歯茎の中で作られている段階に起こる症状で、明確な原因は解っていません。 通常、歯の表面は「エナメル質」という硬い層で覆われていますが、このエナメル質が弱いと歯が酸に弱く溶けやすいため、他の歯が溶けない程度の酸性度合いでも溶けてしまい、虫歯になってしまいます。歯の質を戻すことはできないため、対処法としてはフッ素塗布をおこない歯質強化をおこなったり、歯科検診の間隔を短めにして、もし虫歯になってしまっても早期に対処できるようにしましょう。 対処としてはフッ素塗布で様子を見るか、形成不全の度合いが大きい場合には、プラスチックの被せ物で治療を施したりします。崩壊が酷い場合には抜歯に至ることもあります。
生まれつき歯の数が少ないと言われいました。どういうことですか?
先天性欠如歯という、歯の本数が足りない症状の可能性があります
歯の数は、乳歯が20本、永久歯が28本(親知らずがプラス4本)が基本ですが、生まれつき歯の数が少ない場合があります。これを「先天性欠如歯」といいます。
日本小児歯科学会による調査によると、全国の7歳以上の子どもの中で、先天性欠如歯があった割合は、乳歯で0.5%、永久歯で10.1%と発表されています。その中で、永久歯の場合男の子よりも女の子のほうが若干多く発症が見られます。場所は前から2番目の側切歯(そくせっし)と前から5番目の第2小臼歯(だい2しょうきゅうし)の欠如が多く見られる部位です。
先天性欠如は、歯胚(しはい)という歯の素になるものが歯茎の中で形成される際に、何らかの要因で作られない場合に起こります。はっきりとした原因は解明されておらず、遺伝や妊娠中の薬の副作用が考えられるのではないかといわれています。
乳歯の場合は、無い部分の永久歯も欠如するということではないため、レントゲンで永久歯の歯胚があるか確認したり、歯並びを経過観察して様子を見ます。 永久歯の場合は乳歯が抜ける時期を過ぎてもなかなか抜けない等の理由で気づくこともあり、気づかないまま長期間過ごしていると歯並びの乱れにつながることもあります。
発熱後、お口の中が白くただれたように口内炎が多発してしまいました。これはなぜですか?
免疫力低下による口内炎以外にも子ども特有の症状である場合があります
風邪などで高熱が出た後、お口の中に口内炎が多発してしまうということはよく起こる症状です。
これは、免疫力が低下することによって起こると考えられています。身体の免疫力が低下すると、口内でも細菌の増殖を抑える力(自浄作用)が弱くなり、特にお子さんは歯磨きもままならない日が続きお口の中が不衛生になる等、さまざまな要因が重なって口内炎を引き起こしてしまうのです。 また、ヘルパンギーナや手足口病といった、子どもがかかりやすい病気の症状のひとつとして、高熱と口内炎の多発が見られることもあります。
ヘルパンギーナとは 夏風邪の一種で、5歳以下の小さなお子さんがかかりやすい病気です。
40度前後の高熱を伴い、のどの痛みや口内炎の多発などの症状が見られます。時に水疱が破れて潰瘍になると痛みを伴うこともあります。
手足口
手足口病も、5歳以下の小さい子どもがかかりやすい夏風邪の一種です。 手、足、口に水疱性の湿疹が発言することからこう呼ばれています。ヘルパンギーナに比べて熱も37~38℃程度。発現する場所が1箇所の場合や全身に多発するといったように、症状に個人差があります。ただし口に限局して多発した場合などは、水疱が潰れて口内炎になってしまい、しばらく食事が難しくなる程痛みを伴う場合もあります。