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みんなが疑問に思っている、歯の神経のこと

歯の神経とは何?

歯に栄養を送っている無くてはならない「生命線」の役割をもつものです。

歯の表面はエナメル質というとても硬い組織でおおわれています。 この組織の下には象牙質(ぞうげしつ)という組織があり、象牙質の中央部分を歯の根っこに向かって歯髄(しずい)という柔らかい組織が通っています。これが「歯の神経」と呼ばれている部分です。

神経は象牙質とつながっていて、象牙質に伝わったさまざまな刺激を神経に届けます。冷たいアイスなどを食べた時に歯がキーンとしみるのは、冷たい刺激が象牙質を介して神経に伝わったせいなのです。外からの刺激とは、温度刺激の他に甘いとか酸っぱいといった化学的刺激、あるいは物理的な圧迫による機械的刺激などがあります。

虫歯で穴が開いてしまい象牙質が露出してしまうと、さまざまな外部からの刺激を「痛い」と感じるようになります。また、歯の神経には痛みなどを感じる神経の他にも、血管と同じように動脈と静脈があります。これら3つが結合したものが歯の根っこから歯茎の中の組織と繋がっているのです。このように、神経には歯を噛む力に耐えられるように元気にするための栄養を送る役割と、刺激を受けた時に痛みとして危険を察知し防御するという役割も担っています。神経が死んでしまうと、栄養も送れなくなりますし刺激を感じることも出来なくなるため、歯を残して置くことが困難になることもあります。ですから、神経は歯の心臓部であり「歯の生命線」ともいえるのです。

 

歯の神経はいくつあるの?

歯の神経の数は1本の歯に対して1本~4本と歯ごとに違いがあります。

歯には、それぞれ違った機能があり、それによって前歯や奥歯に分類されています。それによって根っこの数も違い、神経の本数もさまざまです。

まず、前歯とよばれている薄くて平べったい歯は「切歯(せっし)」といいます。食べ物をまず最初にとらえて嚙み切る仕事をする歯のことです。正面真ん中から左右へ順に「中切歯(ちゅうせっし)」、「側切歯(そくせっし)」といい、その隣の糸切り歯と呼ばれる歯は「犬歯(けんし)」といいます。 切歯はつくりが平べったい歯なので、ほとんどの根っこが1本で神経も1本です。次に、奥歯とよばれている丸い歯を「臼歯(きゅうし)」といいます。口に摂り込まれた食べ物を臼のようにすりつぶす仕事をする歯のことです。糸切り歯の横から2本を「小臼歯(しょうきゅうし)といい、手前から「第一小臼歯)」、「第二小臼歯」といいます。

そして小臼歯の奥の大きな歯は「大臼歯(だいきゅうし)といい、「第一大臼歯」、「第二大臼歯」、親知らずと呼ばれる歯を「第三大臼歯」といいます。奥歯は噛んだ時の圧力が大きくかかる歯ですから、根っこが2~4本に分かれて支えています。そのため、神経の数も根っこの本数と同じように2~4本に分かれます。そして神経の本数は奥歯の種類によって決まってなく、個人差があるのです。

虫歯が出来ると歯の神経はどうなるの?

虫歯が神経まで達してしまうと神経が死んでしまい、さまざまな弊害がおこるかもしれません。

虫歯の出来始めは痛みを感じるようなことはありません。 歯は一番表層をエナメル質という硬い組織で覆われています。ここに虫歯がとどまっている時点では、まだ痛みを感じることはないのです。そして次の組織である象牙質(ぞうげしつ)に虫歯が侵入し、だんだん神経に近づき始めると冷たいものや温かいものを口に入れた刺激に反応しズキンとしたりしみることがあります。

ただ、この時点で虫歯を治療すれば、神経が死んでしまうことは防ぐことができます。問題は、虫歯が神経に到達してしまった場合。神経が露出し刺激が直接届くため、激痛が走ったりズキンズキンと脈を打つような痛みを感じるようになります。この痛みをガマンして放置していると、神経が死んでしまい一旦痛みを感じなくなるのです。

痛みを感じることが無くなるため、なかには虫歯が治ったと勘違いする人もいるようですが、それはとても危険な勘違いです。痛みを感じなくなったからと更に放置していると、死んでしまった神経が腐り始め歯の根っこに膿が溜まり再び痛みを感じるようになります。この状態で歯科医院を受診したときには神経を抜く処置をすることになります。

細菌に侵されている神経が入っていた空洞(歯髄腔(しずいくう)といいます)を膿がなくなるまで治療を繰り返し行い期間が長くかかることになります。このように、虫歯ができてしまったときの神経は、痛みを感じたり感じなかったりを繰り返します。そのことで虫歯が進行していることに気付かないまま取り返しのつかない事態になることもあるので注意が必要です。 ちょっと食べ物や飲み物がしみるかな?と思った時点で、虫歯が影響していないか歯科医院での診査を受けることをおすすめします。

神経をとったら歯が黒くなりました。なぜですか?

神経をとってしまうと歯には栄養がいかなくなってしまうため徐々に変色していきます。

歯の中央部には「歯髄腔(しずいくう)」という空洞があり、その中を細かい血管や神経が通う「歯髄」が走っています。これを分かりやすく歯の神経と呼んでいます。

この歯髄は象牙質(ぞうげしつ)という組織におおわれていて、歯に外部からの刺激が加わった際に感知し細菌が歯の内部に侵入しようとするのを防御しようとする危険回避の役割があります。 虫歯も神経が感知することのひとつです。虫歯が象牙質に達すると神経が外部の刺激を感じて痛みを生じることで気づくことができますね。

また、神経と言ってもそれだけではなく細かい血管などもあり、その血管を利用して歯に栄養を送る役割もあります。ただ、虫歯を放置して神経が常に刺激にさらされた状態のままにしていたり、転倒し歯を打撲するなど大きなダメージを受けた場合、神経が死んでしまうことがあります。神経が死んだままにしておくと神経は腐ってしまい、膿が溜まってしまうこともあるので、死んでしまった神経を取らなければならにこともあります。

神経が無くなり機能を失ってしまうと、歯に栄養を送り届けることができなくなるため、象牙質のたんぱく質が変質します。そもそも歯の色は、歯の内側にある象牙質が上を覆っているエナメル質を透過して見える色なのです。歯の色が人それぞれ違うのは象牙質の色の違いということですね。ですから、神経が死んでしまい象牙質の色が黒く変色してしまうと、エナメル質を通してその色が透け、黒く変色が目立ってしまうのです。

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