歯磨きは歯が生え始めたらすぐに磨いたほうが良い?
はい、ぜひ歯磨きを始めてあげましょう!
お子さんが生後6~7ヶ月過ぎたころから、下の前歯が顔を出し始めます
まだ離乳食を始めていないお子さんもいらっしゃるでしょうし、前歯だけの時期に歯垢が付いて虫歯になるといったようなことはほぼありませんので、あまり虫歯予防を意識しなくても大丈夫です。 この時期の歯磨きは「歯を綺麗にする」というよりも、「お口の中に歯ブラシが入ることに慣れる」と思って磨いてあげましょう。
この時期のお子さんの口の中はとても敏感です。おもちゃなどを口に運ぶのは、さまざまな物の感覚をお口を通して学んでいるといわれています。歯ブラシも同様、お口に歯ブラシが入ることに抵抗を感じることがないように、歯が生えた部分だけでなく、まだ歯が生えていない歯ぐきの部分や舌にもブラシでタッチしてあげてくださいね。
このときの注意点は、歯を磨くときのようにゴシゴシと動かしてしまうと歯ぐきや粘膜を傷つけてしまいますので、チョンチョンとタッチする程度でOKです。日々の歯磨き時間にこうしてお口の中を刺激していれば、どんどん歯が増えて磨く場所が増えても、お子さんが抵抗なく仕上げみがきさせてくれるきっかけになりますよ。
毎食後磨いた方がいいの?
虫歯のリスクを軽減することを考えると、毎食後に歯磨きするのが理想です
食事を摂ると口の中は酸性に傾き、歯の表面が溶ける「脱灰(だっかい)」を起こします。脱灰自体は食事をすれば自然に起こり得ることで、食事が済むと唾液の成分で酸性が中和されますし、歯の表面から溶け出したカルシウムやリンが摂り込まれて元の状態に戻る「再石灰化」がおこなわれます。ただし、口の中がいつまでも酸性の状態が続けば再石灰化が進みません。食後に歯磨きをすることで食物残渣を清掃したり歯面に付着した歯垢を落としますから、口の中をできるだけ早く中和してあげる補助になります。
また昨今、「食べて30分以内は歯磨きしない方がよい」という説もあります。これは歯の表面が脱灰して唾液の作用で自然に中和するまでにかかる時間の目安。歯の表面が脱灰して弱っているときに歯磨きすると、歯の表面を傷つけてしまう可能性があるという考えからこう考えられています。食後すぐに磨いたほうがよいという説と30分経過後に磨いた方がよいという説、どちらが正しいかは歯科医師も賛否両論あります。どちらも考えられる説ではありますので、ご自身のお口の状態に合わせて選択するのがよいと思います。
たとえばお子さんの場合、30分待ってから歯磨きするという余裕がないということもあるでしょう。 脱灰が気になる場合は、歯ブラシをゴシゴシと強く当てないことや、研磨剤の入っている歯磨き粉を避けるなどの工夫もできますよ。
仕上げ歯磨きをする時の体勢は?
年齢や協力度に合わせてお子さんが一番リラックスできる態勢を探しましょう
よく公的な健診や歯科医院で指導を受けたり、育児書などに書かれている仕上げ磨きの体勢といえば、「ママの膝の上にお子さんの頭が来るような体制で、ママが逆から覗き込む姿勢で磨く」というものが多いのではないでしょうか?この姿勢は歯医者さんの診療台に寝た時と同じスタイルで、ママの顔も逆さまから見上げることになり、嫌がるおこさんが多いように思います。もしも嫌がった時には、ママの足でお子さんの肩から腕あたりを羽交い絞めにもできますから、この体制はあくまでもママ側がやりやすい体勢なのです。 仕上げみがきの体勢に決まりはありません。できれば仕上げ磨きはお子さんが一番リラックスして安心できる体勢にしてあげて欲しいと思います。
歯磨きをしてあげると歯ブラシをかんでしまい、すぐにダメにしてしまいます。どうしたらいいでしょう?
お子さん用と仕上げみがき用、歯ブラシの使い分けをしましょう
小さいお子さんは口に何か入ると噛むのが当たり前な行動です。ですから歯ブラシの毛先はすぐに開いてしまいますよね。毛先が開いてしまった歯ブラシは清掃能力が落ちてしまいます。お子さんの使っている歯ブラシで仕上げみがきもしていては、おとながいくら丁寧に磨いたつもりでも磨き残しを生んでしまいます。また、開いた毛先で粘膜や筋を傷つけてしまう可能性もあります。一番良いのはお子さん用の歯ブラシとママの仕上げ磨き用の歯ブラシといったように分けて準備することをおすすめします。
たとえば、「歯磨きを理解し磨く」という行動できるまでは、ママの仕上げみがき用歯ブラシが交換時期かな?と思うくらいになって来たところでその歯ブラシをお子さん用にし、仕上げ磨き用を買いなおすというサイクルでやってみてはいかがでしょうか?