最近ではインターネットの普及で、パパやママたちの歯科知識の深さに驚かされることもしばしばあります。その反面、情報が多すぎることで何が正しいのか混乱してしまうこともあると思います。
時折、歯科で使われる治療の材料が身体に与える悪影響のお話も耳にしますが、きちんとした情報であるかを確認して参考にしていただきたいと思っています。
今回は、少し、虫歯治療の詰め物に関してお話ししたいと思います。
銀歯や白いつめ詰め物は身体に悪影響はないですか?
銀歯や白い詰め物自体は身体に悪影響もない材料を使用しています。 歯科材料に関して日本では、厚生労働省にて規定されている材料を使用しており体に害をもたらすような材料は使われておりません。
なぜこのような「誤解」を生んでしまうのでしょうか?
以前、環境ホルモンの成分と歯科材料を作る工程の中で使われる成分が同じことから「人体に影響があるのでは」と報じられたことがありました。
あくまでも製造工程で使用される成分であり、材料そのものとして使用されている訳ではなく、もしもその成分が作業工程の中で材料に残留していたとしても、溶出するためにはかなりの高温でないと溶出しない成分であるという報告があります。
体温は発熱で高くなったとしても40度前後ですから、材料から身体に悪影響があるような物質が溶出するようなことは、まず無いと考えてよいでしょう。
ただし、古い詰め物は要注意です!!
何十年も前に入れた銀歯やインレー(部分的な銀の詰め物)は、経年とともに傷が入っていたり歯質との歪が生じている場合があります。傷や歪に細菌が付きやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクを高くしてしまう要因になっている可能性があります。
また、古い金属からイオンが溶出してしまうことで、金属アレルギーの原因になることもあります。 長年入れたままになっている部分はやり替えが必要な場合もあるため、定期的な歯科検診がとても有効的です。
詰め物は虫歯にならないの?
虫歯は歯質が溶かされた状態ですが、人工的に創られた銀歯や白い詰め物自体が虫歯に侵されることはありません。ただ、削った歯質と詰め物の継ぎ目から細菌が侵入して、同じ歯が再度虫歯になることはよくあります。2次的な虫歯は、ずでに削って歯質が薄くなっている歯が蝕まれるため、進行が早いのが特徴。詰め物の下で神経が侵されてしまったり虫歯が気づかないうちに広がってしまうこともあります。
定期検診は不適合な詰め物の見極めもおこないます
詰め物自体は安全でも、詰め物が問題なく使えているのか自分ではわかりにくいものです。虫歯の治療が終わっても、詰め物をした歯は定期的に検診やメンテナンスを受けることをおすすめします。