お口のQ&A

「おやつ」本来の意味と選び方のコツ!

虫歯リスクを減らすためにおやつ習慣を見直しましょう!

みなさんは「おやつ」って何?と聞かれたら、どう答えますか? 「おやつ」といえば甘いものやスナック菓子などを想像する方も多いでしょう。

そもそもおやつとは何なのかを改めて考え直してみると、自然と虫歯予防にも繋がってくることを知っていただければと思います。

おやつの回数は少ないほうが虫歯にならないの?

おやつの回数は年齢によって変わります。また、虫歯との関連性は回数だけではなく「何を食べるか」や「食べ方」が重要です。

「おやつ=趣好品」ではないんです!

そもそも「おやつ」はイコール「甘いもの」と考える方も多いのではないでしょうか?確かに食間の楽しみのひとつではありますし、スーパーで「おやつコーナー」といえば、さまざまな甘いお菓子やスナック菓子が並んでいます。虫歯の原因がおやつなら、これらを食間で食べる回数が減ればそれだけ虫歯になるリスクが減ると考える人もいらっしゃるのでしょうが、まずそこが違います。

「おやつ」本来の意味

おやつの本来の役割は、胃が小さく1度にたくさん食べることが難しい幼児が、3度の食事だけでは栄養が不足してしまいがちな栄養を補うために食べるもの。「第4の食事」ともいわれています。 ですから、甘くなくてもお菓子でなくても良いのです。逆に栄養をしっかり補うことを考えると、甘いもの以外を食べることをおすすめします。そうすることで身体の成長だけでなく、虫歯の原因となる糖分の摂取も減らすことになり、おのずと虫歯のリスクも減ります。

おやつの回数は年齢によって目安があります

また、おやつの回数については年齢によって目安があります。1~2歳ころは午前と午後の1日2回、3歳~5歳頃は午後の昼食から夕食までの間(3時頃が妥当)に1回が一般的な回数です。

ダラダラ喰いは虫歯のもと!

おやつの回数や食べる時間を決めることは、年齢だけでなくお口にとっても重要です。 回数を決めずに何度も頻繁に食べたり、1度のおやつを長時間ダラダラと食べていたりすると、お口の中が常に酸性に傾き歯が脱灰(酸で溶けた状態)してしまいます。 本来なら、食べ終わたら自然に口内が中性に戻ろうとする作用(自浄作用)が働かず、修復したいのにまた食べる…を繰り返して歯が溶け、虫歯になってしまいます。

おやつはあくまでも「補助食」 時間と回数を決めることがポイント!

おやつは子供の栄養補助食だということを意識してみると、成長や健康を意識した食材を選ぶことができるのではないでしょうか? 回数は年齢別目安の回数を参考にし、ダラダラ食いをしないことも注意して見てくださいね。

おやつを与えながら虫歯を防ぐ方法はありますか?

おやつを食べても、工夫次第で虫歯になることを予防する事ができますよ。

たとえ甘いおやつを食べたとしても、そのおやつが虫歯菌のエサとなり歯を溶かすまでに至る工程を食い止めることができれば、虫歯は防ぐ事ができます。

ではどんなことをすれば虫歯にならないのでしょうか?

虫歯は、お口の中に大好物の糖分が摂り込まれたとき、それをエサにするために酸を生産します。その酸によって歯が溶かされてしまうのです。

また、歯の表面に細菌の塊である「歯垢」を形成し付着させます。歯垢が歯に付いたままの状態が長く続くと歯が溶かされてしまいます。

ですから、甘いものを食べても、虫歯菌が活発に活動できないような環境にすれば、虫歯を予防することができると考えられます。 そのためには3つのポイントがあります。

まずはできるだけ歯の表面が酸にさらされる時間が短くて済むように、しっかり丁寧に歯みがきをすることです。

そして食後に毎回できなくても、夜寝る前には歯みがきを入念にすることを意識しましょう。 虫歯菌の活動は、唾液の分泌がほとんど無くなってしまう就寝中に一番活発化するため、寝る前にしっかり歯磨きすることが虫歯予防に繋がります。 次に食事の習慣も見直しておきましょう。

おやつの時間は時間・回数を決めていますか?

特に小さいお子さんはおやつの回数も多くなってしまいがちです。 食事と食事の時間が近いと、お口に働く修復機能である「自浄作用」がうまく働かないため、虫歯になりやすくなってしまいます。 ダラダラ喰いは絶対にダメ。おやつの時間は決まった時間に決まった時間内で済ませるように工夫しましょう。

唾液の分泌を促すことも大切。

甘いものを食べて虫歯菌が活動をしようとしたとき、唾液の持つ「自浄作用」でお口の中を洗い流すためには唾液が多い方が効果はアップします。 また、もしも歯面を溶かし始めたとしても、初期段階であれば唾液による「再石灰化」で修復してくれます。

このように優れた機能を持つ唾液をたくさん出すことが虫歯予防につながるので、シュガーレスガムを噛んだり、唾液が出る部分(唾液腺)を頬っぺた側から押してマッサージするのも効果的ですよ。

市販おやつを選ぶ時のコツってありますか?

はいあります。コツを押さえておけば市販のおやつも食べてはダメなものではないのです。

まずは「お砂糖の量」です。WHO(世界保健機構)のガイドラインによると、1日に摂取してよい糖分の量を多くても総エネルギー摂取量の10%未満であるべきだとしています。成人で約お砂糖25g(小さじ6杯程度)とされ、缶ジュース1本でアウトといわれる程少ないのです。まして大人よりも身体の小さいお子さんであればもっと少ない量が理想的だということになります。

また、「カロリー」も身体のことを考えると大切です。おやつで摂取するカロリーの理想として、間食全体で1~2歳児で100~180キロカロリー、3~5歳児で140~240キロカロリー相当とされており、ポテトチップスのような脂っこいおやつばかり食べていては過剰摂取しやすくなります。

だからといって、常にお砂糖量やカロリーを細かくチェックするのは難しいですし、毎回手作りのおやつを与えるのも難しいしママもストレスに感じてしまっては逆効果です。

大切なのはポイントを知って、購入する際に「意識する」ということ。たとえばケーキを食べるならジュースを組み合わせないとか、ポテトチップスを食べたいときは袋ごと出すのではなくお皿に取り分けて出すなど、ちょっとした工夫で量をコントロールする意識でよいのです。

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418 編集部
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