「乳歯はいずれ抜けるもの」 確かにその通りです。
だからといって、虫歯になっていても放置しておいてよいという考えは危険です!
パパやママには、乳歯の虫歯を「どうせ抜ける歯だから」と放っていることで及ぶ危険について是非知っていただきたいと思います。
なぜ、いずれ抜ける歯なのに虫歯は治療をしなければならないの?
確かに乳歯は、わずか数年で抜けはじめて徐々に永久歯と交換します。しかし、乳歯の歯の根っこの下には生後3か月から永久歯の素が作られ始め、乳歯が健康であるからこそ永久歯も健康に育ちます。
生え変わりは乳歯がないとスムーズにできません
乳歯が虫歯で不健康では、乳歯の神経や歯の根っこは病気になってしまいます。虫歯で細菌に侵された歯だったり、抜ける時期よりも早くに失ってしまったりでは、永久歯が順当に正常な位置に生えてこれないことがあるのです。
そのためにも、乳歯が虫歯になってしまったら早めに治療をおこない、永久歯と交換するまでの道案内として健康に保つことが必要なのです。
乳歯でも神経をとるのはなぜですか?
乳歯の歯の根っこの下には、永久歯の素となる歯胚(しはい)があり、乳歯が交換するまでの期間、永久歯の歯胚は歯を形成している大切な期間です。死んでしまった神経をそのままにしておくと、さまざまな悪影響を及ぼす可能性が高くなるため神経を取ります。
神経が炎症を起こします
乳歯の神経が何らかの原因によって死んでしまったとします。その際、死んでしまった神経をそのまま放置しておくと、歯の中で神経が腐ってしまい、歯の根っこの先端が炎症を起こして壊死してしまいます。こうなると神経を抜かなければならなくなってしまいます。
膿が溜まることがあります
壊死した神経が腐敗し膿が溜まっているのに放置していると、永久歯の歯胚はずっと病的な膿の中に居ることになりますから、形成不全(けいせいふぜん)といって、歯の質が弱く出来上がってしまったりすることがあります。
乳歯は永久歯の道案内をしてくれる大切な歯です!
乳歯は「どうせ抜けてしまう歯だから」と軽視されがちですが、永久歯が順当に抜け、順当な場所に生えるための「道しるべ」というとっても大切な役割があるのです。永久歯に比べて虫歯になりやすく進行も早い乳歯が神経を取らなければならない程ひどい虫歯にならないよう、定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。