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お口の健康コラム

小児矯正の必要性を解説|乳歯の頃から矯正治療を行うメリット

こんにちは!

418編集部 歯科衛生士の江頭です。

今回は前回の続き第2弾として「小児矯正」に関連する内容をお伝えしたいと思います。

 

ひと昔前まで、子どもの歯列矯正といえば

顎の成長が落ち着き、永久歯になるまで待ってブラケットとワイヤーで治療開始

が主流でした。

しかし、ここ20年くらい「小児矯正」を行う歯科医院が増えてきています。

ただ、ママやパパ世代は

「小児矯正って何?」

「永久歯になってから歯並び綺麗にすればいいんじゃないの?」

と思う方も多いのではないでしょうか?

そこで、最近主流となりつつある、小児矯正の必要性について詳しくご紹介したいと思います。

小児矯正は永久歯が自然に正しい位置に整うための環境づくりです

「小児矯正」は、乳歯の歯並びを整えることが目的ではありません。ですから、乳歯列がきれいに並んでいるお子さんでも、小児矯正が必要と診断されることがあります。

治療というよりも、最終的に永久歯が正しい位置に並び、正しい噛み合わせになるように、乳歯列の時期から適切に導いていくものです。

顎が小さいお子さんが増えています

近年、顎が小さいお子さんが増加しています。顎が小さいと永久歯が生えるスペースが不足し、歯並びや噛み合わせに問題が生じることが多くなります。これにより、将来的に矯正治療が必要になる可能性が高まります。小児矯正で早期に対応することで、顎の成長を促し、適切な歯並びを確保することができます。

永久歯になって始めるより手軽な治療です

永久歯に交換が完了した時点で歯列矯正を開始する場合、狭い顎を広げる装置を付けたり、スペース確保が難しい場合は抜歯が必要になる場合もあります。また、重度な変形がある場合には、外科手術を必要とするケースもあります。

小児矯正は歯並びを動かすのではなく、永久歯ができるだけ自然に正しい位置に整うための「環境づくり」だと考えてください。

歯や顎を動かすことで起こる痛みもありませんし、外科手術を行うこともありません。

 

小児矯正が必要となるポイントは?

お子さんの歯並びが小児矯正が必要なのかどうかの判断は難しいです。気づくためのポイントをご紹介しますので、当てはまることがあればかかりつけの歯科医院にまず相談してみましょう。

乳歯の歯並びや噛み合わせが悪い

乳歯の段階で歯が重なって生えていたり、噛み合わせが不正である場合、将来の永久歯の配列にも問題が生じる可能性が高くなります。小児矯正を行うことで、永久歯が正しい位置に並ぶために必要な咬合誘導治療を行うことができます。

顎が狭い

顎が小さい、または顎の成長に偏りがある場合は、永久歯が正常に生えるためのスペースが確保できません。小児矯正を通じて顎の適切な発育をサポートし、歯並びを整えるために必要な成長を促すことができ、自然に歯並びが整う可能性が高まります。

口呼吸や舌の癖がある

口呼吸や舌の位置の問題は、顎や歯並びに悪影響を与えることがあります。これらの習慣を改善し、正常な発育を促すことにも小児矯正が役立ちます。

永久歯の生え変わりの異常が見られる

永久歯が正常に生えない、または歯が遅れて生えてくるといった場合にも、小児矯正によって歯列のガイドが必要になることがあります。

家族歴で心配ごとがある

両親や兄弟姉妹に歯並びや顎の問題がある場合、遺伝的な要素や生活習慣の影響で同じ問題が起こる可能性があります。心配な場合は歯科医院にその旨を伝えて相談してみましょう。早めの矯正治療が予防につながることがあります。

 

小児矯正の種類をご紹介

小児矯正は主に以下のような方法があります。

お子さんの歯並びや骨格に合わせて、また生活習慣なども加味して歯科医師から提案があります。歯科医院によって導入方法が異なるので、希望の方法がある場合には、取り扱っているかリサーチしてから矯正相談の予約をするようにしましょう。

マウスピースのタイプ

就寝中に装着するタイプや、1日20時間以上装着したままで過ごすタイプなど、歯並びの状況や年齢、目的によって適したマウスピースの種類が異なります。以下に、よく導入されている3つのマウスピース矯正をご紹介します。

プレオルソ

お口周辺の筋肉や顎が成長する時期(3〜10歳)を対象にした装置です。上下の歯列一体型になっており、1つの装置で上下の歯全体を多います。軽度の出っ歯や受け口改善も期待できます。

主な効果は、歯並びが悪くなる原因となる「スペース不足」を解消するため、根本的な原因を取り除くことを主な目的として装着します。

日中に1時間程度と就寝中に装着することで、お口周辺の筋肉を鍛え、歯並びが悪くなる原因となる口呼吸や舌の悪習癖を改善します。

マイオブレース

プレオルソ同様、毎日日中1〜2時間と就寝中に装着し、お口周辺の筋トレーニングや口呼吸などの悪習癖の改善を図る装置です。対象年齢は3〜15歳頃となっています。

また、お口周辺のトレーニングだけでなく、座り方や立ち姿勢などを改善するトレーニングなども行うマイオブレース・アクティビティーズというプログラムがあります。

インビザラインファースト

透明なマウスピース型のアライナーを使って歯並びを整える方法です。主に乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(8歳前後〜)のお子さんに適用されます。

歯並びも誘導しながら、プレオルソやマイオブレースと同様に、筋機能の発達促進や悪習癖の改善も期待できる装置です。

 

床矯正

床矯正は装置で補助することによって顎の骨の成長を促し、永久歯が正しい位置に生えるために必要なスペースと形状になるよう導くことを目的とした治療方法です。歯並びの中心となる6歳臼歯が生える6歳〜11歳くらいに治療を始めるのが望ましいとされています。

歯科用プラスチックのプレートに針金のような引っ掛けが付いた形状で、取り外しができます。中央にバネやスクリューが付いており、定期的にスクリューを広げて突っ張る力で顎に負荷をかけていきます。

 

チンキャップ

チンキャップは、反対咬合(上下の咬み合わせが逆になっている状態)の場合に使用されます。頭から顎までヘッドギアのような装置を付け、外側から力を加えることで、下顎の成長抑制や反対咬合の改善を行う治療方法です。

ほとんどが小学生の時期に行われます。

 

まとめ

小児矯正が必要となるポイントを早期に発見し、適切な治療を行うことで、将来的な歯科治療の負担を軽減し、健康で整った歯並びと噛み合わせになる可能性を高めることにつながります。お子さんの歯の萌出や歯並びを仕上げ磨きの時などによく観察されてくださいね。

また、小児矯正は全ての歯科医院で行っているわけではありません。矯正相談ができる歯科医院でまずはカウンセリングを受けることから始めましょう。カウンセリング予約をする時は、どんな装置を導入しているか、事前にリサーチして予約されることをおすすめします。

  • 記事を書いたライター
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江頭 小百合(歯科衛生士)

3姉妹の母、歯科衛生士ライターとして活躍中。小児歯科の現場や母親としての経験を活かし、お口の悩みやギモン、歯の健康に大切な情報をみなさんに楽しく・解りやすくお伝えしてもらっています。「418PROJECT」、歯科衛生士スタディグループ「Hygeia(ヒュギエイア)」在籍。

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