甘いものを食べたら歯にしみました。甘いものも歯にしみたりするの?
「甘味痛」といって、歯に甘いものがしみることがあります。
甘いものを食べた時に起こる歯がズキンとしみるような痛みは、「甘味痛(かんみつう)」というものです。
この症状は、虫歯があるお口の状態で甘いものを食べた際の刺激が神経に伝わった場合に起こります。 歯の神経は通常、象牙質(ぞうげしつ)という組織の中心にあります。それをエナメル質というとても硬い組織で覆って外部の刺激から守っているため、食事をしても痛みを感じることはありません。 なぜ痛みを感じるかというと、虫歯ができエナメル質に穴が開いて中の象牙質が露出してしまうと、外部からの甘味の刺激が象牙質を介して神経に届くようになるからです。
エナメル質にとどまったほんの小さな穴の初期段階の虫歯は、通常歯科治療は必要ないと判断される段階です。
そんな小さな虫歯の段階でも、「甘味痛」を感じることもあります。これは口の中で甘みが溶けた時にイオンとなって電流を流し、その刺激が神経に届いてズキンとしみてしまうのです。 「甘味痛」は感じ方や食べ物の種類などに個人差があります。 「虫歯かな?」と気になる場合は歯科医院に相談してみてくださいね。
歯みがき以外で虫歯を予防する方法はありますか?
歯磨きで汚れを落とすこと以外にも虫歯を予防する方法はあります。 虫歯予防の方法といえば、「歯みがき」ですよね。 しかし実際には、歯みがきで歯垢を落とせる割合は6割程度と言われているのです。 ですから、毎日食後にしっかり歯みがきしていても、虫歯を完全に防ぐことのできる方法とは言えません。
歯みがきでフォローしきれない部分はどのようにしてカバーすればよいのでしょうか?
歯みがき以外に虫歯予防としてお勧めできる歯の清掃方法としては、歯ブラシでの清掃にデンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシなどの補助具による清掃を加えると、歯垢を落とす割合が8割以上にアップします。
「虫歯」は虫歯菌が糖質をエサにして酸や歯垢が長い時間歯にダメージを与えることによって歯の表面が溶かされた状態のこと。
このような虫歯が発生する条件が揃わないようにするための努力が虫歯予防につながると考えられます。 食事やおやつによる糖分・糖質の摂取制限はもちろんのこと、フッ素塗布やキシリトールの摂取で歯を強くしたり、唾液の分泌を促すことでお口の中を自然と洗い流す効果を生み出すことなどが虫歯予防に効果を発揮するのです。
自分でできる虫歯予防には限界があります。
そこで、歯科医院の定期検診を受けることがおすすめです。 歯科医院ではお口全体の状態を確認し、虫歯になりやすいかどうかなど個人のタイプも確認できます。そして個々に合った予防法や歯みがき指導をしてもらう事ができますので、是非歯科医院を活用していただきたいと思います。
砂糖やチョコを食べなければ虫歯は防げる?
砂糖やチョコなどの甘いものを食べなくても虫歯はできてしまいます。
「チョコレートを食べ過ぎると虫歯になるよ!」と言われたことはありませんか? また、虫歯=砂糖で溶けるというようなイメージもあると思います。 実は、砂糖もチョコレートも、そのものが歯を溶かす訳ではないんです。
歯を溶かして「虫歯」にしてしまうのは、お口の中にすみついている虫歯菌です。 砂糖やチョコレートなどの甘いものはこの虫歯菌の大好物で、お口の中に摂り込まれるとエサにして分解するために酸を生産します。 この酸によって歯の表面が溶けてしまう状態が虫歯なのです。
虫歯菌は確かに甘い糖分が大好物なので、砂糖やチョコレートを食べて歯磨きをサボっていれば虫歯になるかもしれません。 ですが、実は甘いもの以外の食べ物を食べても虫歯はできる可能性があります。 例えばご飯やパンなどの炭水化物には「糖質」が含まれていますし、ご飯のおかずでもお砂糖を使って調理するものはたくさんありますよね。 ですからどんなに甘いものを控えても、まったく糖質を摂らないということは難しいのです。
身体にとって良い成分が含まれる野菜ジュースや乳酸飲料などは手軽に摂取することができますよね。 ただ、これらの中にも糖質や糖分は含まれているので、体に良いからと頻繁に飲んでいると虫歯になる可能性が高くなります。 「甘くないから」とか、「おやつを控えているから」ということで歯みがきをおろそかにすることはとても危険なことです。 砂糖が使われているおやつやチョコレートなどを食べていなくても歯みがきは食後にしっかりおこなうようにしましょう。