お口の健康コラム

体の不調の原因は もしかしたら「口呼吸」かもしれません

口呼吸は、歯並びに悪い影響をあたえるだけでなく、身体のさまざまな不調の原因になってしまうことがあります。
今回は口呼吸が起こす身体の不調とそのメカニズムをご紹介します。
改善策の参考にどうぞご覧ください。

顎関節症

口から呼吸をするためには、前かがみで背中を丸くした方が楽に呼吸することができます。
いわゆる「猫背」の状態です。
これを日常的に行っていれば、姿勢が悪くなってしまいます。

上あごが下がる

常にお口が開いたままの状態になるため、上あごに舌が当たらず成長は促されません。また、上のあごは下方へ成長し、上下のあごの成長バランスが崩れてしまいます。

しっかり噛めない

歯は上下左右に対応する歯が決まっており、その形状もしっかり噛みあうことで歯の機能を発揮します。上下のあごがズレてしまうと、歯が正しい位置で噛み合わなくなってしまうのです。

顎関節症を起こすかもしれません

歯は60㎏くらいの圧力がかかるといわれていて、あごのバランスが良い場合はすべての歯で分散し、あごに負荷がかからないようにできています。
しかし、噛み合わせのバランスが悪いと、偏った部分に強い圧力がかかったり、筋肉が常に緊張状態になることから、顎関節症を招いてしまう要因になるのではと考えられています。
また、間違った飲み込みかたをしていることでも顎の関節が圧迫され、顎関節症を招いてしまうことがあります。

さまざまなアレルギー系の症状

通年鼻がつまっている、花粉症、アトピーなどのアレルギー系の症状や、面長、ぜんそく、リウマチなども、口呼吸が原因となっている可能性があります。

口が慢性的に開いてしまう

口呼吸で慢性的にお口がポカーンと開いたままになっていると、過剰な免疫反応によって扁桃腺・アデノイドが腫れやすくなります。

アレルギーになる

口からさまざまな異物を体内に摂り込みやすくなっていることから、アレルギー反応を起こすリスクも増えています。

睡眠時無呼吸症候群

口呼吸は舌の筋力が弱く、上あごから落ちてしまうことが原因のひとつです。その状態で寝ていると睡眠時に舌が喉の方へ落ちてしまい、気道を塞いでしまうため、睡眠時無呼吸症候群になってしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな弊害を起こしてしまいます。

いびき・睡眠不足

気道が塞がれるといびきを起こしやすくなります。また、深く眠れていないことで睡眠不足になってしまい、落ち着きが無くなったりイライラしやすくなったりします。

歯ぎしり・歯の痛み

眠りが浅いことは歯ぎしりの原因になるともいわれています。寝ていて気づかないうちに歯ぎしりで過剰な圧力をかけていることや、歯がすり減ってしまうことで、虫歯でもないのに歯が痛むこともあります。

正しく飲み込めない

口呼吸をしていると、舌は口周辺の筋機能を成長させることができません。正しい飲み込みは、舌や頬、唇などがしっかり使えないと難しいため、飲み込む動作が上手くおこなえなくなってしまいます。

誤嚥性肺炎

正しく飲み込むことができないと、食道でなく気道の方に食物がおくりこまれてしまうことがあり、誤嚥性肺炎の原因になってしまいます。

歯並びが悪くなる

歯並びは歯が並ぶために十分なスペースのある大きさのあごはもちろんですが、生えてきた歯を整えるためには唇や頬、舌の圧力による自然な力も必要です。
口呼吸でお口が常に開いているため、あごの成長を促すこともなく、歯並びを整える補助もないので、歯並びが悪くなってしまうのです。

まとめ

口呼吸が源となって起こっている症状は、口呼吸を治さない限り、残念ながらどんなに薬を飲んでも手術をしても、治ることはありません。対処療法に過ぎないのです。
口呼吸を治すことが、さまざまな症状を改善させるための近道であり、口呼吸改善のためにおこなう筋機能育成は、本来覚えなければならない身体の正しい使い方でもあります。

原因が改善しなければ、症状が悪化する可能性や繰り返し症状が起きる可能性がなくなりません。
まずはどのような症状があり、どんな改善策が必要であるか、歯科にご相談いただくことから始めてみませんか?

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富山幸太朗(歯科医師)
富山幸太朗(歯科医師)
「良い歯をつくることは虫歯予防だけではなく、全身の健康にもつながる」ということを伝えていけたらと思います。そして、良い歯をつくるためには妊娠前からのお母さんの栄養状態や歯磨き習慣が赤ちゃんに影響することや、産まれた後の授乳や離乳食の食べさせ方が影響するということなど、お母さんたちが知らないけど、知れば誰でもできるようなことの情報発信をしていけたらと思っています。このプロジェクトが多くの方に広まり、みなさんの健康に繋がれば嬉しいです。