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お口の健康コラム

離乳食は「育児本通り」ではなく、赤ちゃんのお口の発育に合わせて進めよう

こんにちは!今年は残暑が厳しいですが、いかがお過ごしでしょうか?

暑いと台所に立つのも億劫な、ズボラ主婦、歯科衛生士の江頭です。

赤ちゃん育児の時期って、家族の普通食と離乳食を作ってたんだなぁ〜と思うと「どうやって作ってたっけ?」と思うことがあります。せっかく作ったのに食べない。。。となるとイライラしてしまったりしたのも、懐かしい思い出です。

きっと、今よりも食事を作ることに時間をかけ、「どんな食材をバランスよく使おうかな」と考えていた時期だったと思います。

赤ちゃんの成長とともに考えることの一つ離乳食」

初めての育児となると特に、育児本や専門家のアドバイスが頼りになることが多いと思います。

しかし、育児本通りに進めることが必ずしも正解ではなく、歯科の観点からお伝えするとすれば、赤ちゃんそれぞれのお口の発育に合わせて進めることが大切です。

そこで今回は、離乳食を進める際に大切な視点として赤ちゃんのお口の発育に合わせる」という点に焦点を当ててお話しします。

 

1. 離乳食はマニュアル通りでなくてもOK!

育児本やネットの情報を参考にすることは大切ですが、あくまでそれらは一般的な目安です。例えば、離乳食を始める時期や進め方について、育児本には「5ヶ月から始めましょう」や「最初は10倍粥から」などの指示があるかもしれません。しかし、赤ちゃんの発育は個々に異なり、その通りに進めることが正解とは限らないのです。

気をつけるべきことは「その通りにしなければならない」というプレッシャーに囚われすぎないことです。赤ちゃん自身の発育や個性に合わせて、個々のペースで離乳食を進めることが大切です。

 

2. 赤ちゃんのお口の発育は個人差が大きい

赤ちゃんの口の発育には、食べ物をしっかりと噛み砕くための筋肉の発達や、舌の使い方、唇の動かし方など、複雑なプロセスが含まれています。そして、これらの発育には大きな個人差があります。

個々の成長に合わせたスタートを!

ある赤ちゃんは生後5ヶ月でスプーンを口に入れることに抵抗がないかもしれませんが、別の赤ちゃんはまだその準備ができていない場合もあります。また、舌の動きがまだ十分に発達していないと、赤ちゃんは食べ物をうまく飲み込むことができないこともあります。このような場合、無理に進めると赤ちゃんにとってストレスとなり、食事自体が嫌いになってしまう可能性もあるのです。

段階を進める場合も要注意

親が注目すべきことは、赤ちゃんが実際にどう感じているか、どう反応しているかです。もし食べ物を口から出してしまったりするようであれば、それは食材が嫌いということではなく、まだその固さの段階を「つぶす」「飲み込む」などができるレベルに達していないサインかもしれません。焦らず、赤ちゃんのペースに合わせることが重要です。時には、1段階元に戻して様子を見るのも良いでしょう。

 

3. 離乳食を通じて「食べることの楽しさ」を教える

離乳食の目的は、単に栄養を摂取させるだけでなく、赤ちゃんに「食べることの楽しさを教える」ことでもあります。食事は生涯続く行為であり、楽しみであるべきものです。そのため、赤ちゃんにとって食事がストレスにならないように進めることが大切です。

「無理矢理」は絶対にNG!

体の成長を考え「毎食きちんと食べさせなくては!」と思う親御さんたちの気持ちはとてもよく分かります。しかし、嫌がっているのに無理やり口にスプーンを押し込んだり、上あごにスプーンを擦り切るようにして口に入れるなどの方法で進めようとすると、食事が「嫌なこと」として認識されてしまう可能性があります。たとえ離乳食がうまく進まなくても、それは「まだその時期ではない」だけであり、失敗ではありません。赤ちゃんが自然に食べ物に興味を持ち、楽しい体験として受け入れることができるよう、大人がサポートしてあげることが重要です。

4. 離乳食の進め方:柔軟なアプローチを心がける

育児本には「最初はお粥から始めて、次に野菜、次にタンパク質……」といったステップが記されていますが、これもあくまで一つの目安です。赤ちゃんによっては、いきなり固形物に興味を示す子もいれば、しばらく液体状のものを好む子もいます。このような違いを無視して、育児本の指示通りに進めることは逆効果になることもあるのです。

離乳食を進める際には、次のような柔軟なアプローチが有効です

赤ちゃんの反応を観察する

スプーンを受け入れるか、口を開けるか、食べ物に興味を持っているかどうかを確認します。

食材の形状を工夫する

すぐに固形物に進まず、しばらくピューレ状や柔らかい形状の食材を提供しても問題ありません。

無理せず進める

赤ちゃんが嫌がる場合は無理に食べさせず、数日休んで再度試みるなど、柔軟な対応を心がけましょう。

 

5. 食べることは「練習」でもある

離乳食を進めることは、赤ちゃんにとって「食べること」の練習でもあります。最初はうまく飲み込めなかったり、食べ物を吐き出してしまうことも多いですが、これも成長の一環です。これは舌や口の筋肉の発達を促すために必要なので、段階を経て口腔機能も育てていきましょう!

赤ちゃんが「食べる」という新しいスキルを学ぶ場です

最初から完璧に食べられなくても焦る必要はありません。少しずつ練習しながら、赤ちゃんが自分のペースで上達していくのを見守ってあげましょう。

歯の生え方によっても変わる

歯の生えるスピードも個々によって違います。6ヶ月前後で下の前歯が生えるお子さんが多いですが、中には、8、9ヶ月になってやっと生えてくる。というお子さんもいます。例えば、奥歯が生えていないのに、離乳食だけ段階が進んでいても食べることが難しいはずです。まず「捉える」ために前歯を使い、「噛み砕いてすり潰す」ために奥歯を使います。歯の生え方によって、離乳食の段階を進めるかどうかも検討してみてください。

 

最後に

育児本や専門家のアドバイスは親にとって心強い参考書ですが、赤ちゃんの発育には個人差があり、必ずしもすべての赤ちゃんに当てはまるわけではありません。大切なのは、赤ちゃん自身のお口の発育に合わせて、無理なく楽しく離乳食を進めていくことです。

赤ちゃんのペースを尊重し、無理のない範囲で進めていくことで、赤ちゃんも親もストレスなく「食べること」を楽しむことができます。最終的には、赤ちゃんが元気に食べ物を口に運び、笑顔で食べる姿を見ることが、親にとって一番の喜びとなるでしょう。

小児の対応を得意とする歯科では、お口の発達に合わせた離乳食のアドバイスを行う医院もあります歯が生える前から歯科と関わることもお勧めです!

 

  • 記事を書いたライター
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江頭 小百合(歯科衛生士)

3姉妹の母、歯科衛生士ライターとして活躍中。小児歯科の現場や母親としての経験を活かし、お口の悩みやギモン、歯の健康に大切な情報をみなさんに楽しく・解りやすくお伝えしてもらっています。「418PROJECT」、歯科衛生士スタディグループ「Hygeia(ヒュギエイア)」在籍。

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