お子さんのいびきや歯ぎしりがひどくて心配になるというお声を耳にすることがあります。時々であれば「よっぽど遊び疲れたのかな?」とか「風邪をひいているからだろう」と考える方も多いでしょう。しかし日常的に行われている場合、睡眠の質を見直してあげることが必要なのかもしれません。
子どもがいびきをかくのはどんなとき?
いびきは鼻の奥にある「アデノイド」や、口の奥にある「扁桃」という部分が炎症を起こして腫れていたり、舌の筋力が弱いことで就寝中の脱力時に舌が喉の方へ落ち込んでしまうことで起こります。 疲れているときや体調が悪いときに、一時的な症状の場合もありますが、慢性的な場合は、なにか原因があるかもしれないことを意識してみましょう。
いびきによる睡眠不足で起こること
いびきや歯ぎしりによる睡眠不足で、酸素不足やホルモン分泌の阻害などが起こります。
睡眠時無呼吸症候群が起こる
いびきをかいている間、気道の一部が塞がっているため呼吸が苦しい状態です。場合によっては呼吸が一時止まってしまうこともあります。これが「睡眠時無呼吸症候群」呼ばれる症状です。このためお子さんは熟睡できていません。この症状は大人の病気に思われがちですが、最近ではお子さんたちにも増えてきています。
成長ホルモン分泌が阻害される
こどもは寝ている間に脳内から成長ホルモンが分泌されます。特に睡眠の始まりに多く分泌されるといわれており、いびきや歯ぎしりで睡眠が浅いと、成長ホルモンの分泌を阻害する要素となると考えられています。
睡眠障害が引き起こす「成長障害」とは
良質な睡眠がとれないと、以下のような症状がみられることがあります。
・成長不全で年齢よりも身長/体重が小柄
・落ち着きがない
・いつもイライラしていてキレやすい
・いつもぼーっとしていたり、授業中に寝てしまう
・歯ぎしりが強い
・年中鼻炎や扁桃炎
鼻炎や扁桃炎が治りにくいのはいびきも関係している?
アデノイド肥大や扁桃腺の腫れ、鼻づまりは、平常時でもお口がポカーンと開いていることで起こります。
残念ながら、お口がポカーン状態のお子さんがいくら意識して閉じようと思っても、お口を閉じ続け鼻で呼吸するために必要な筋肉を持ちあわせていません。そしてお口が開いていては鼻づまりも治らず結果閉じることができずの悪循環を繰り返し、歯並びも悪くなってしまうのです。
口腔機能不足のサインです!
成長期のお子さんは適切なトレーニングをおこなうことでお口の機能を取り戻し、いびきも歯並びも自然に改善する可能性を持っています。お子さんが健康的に成長するために、睡眠時の様子も意識してあげてくださいね