永久歯が生えたばかりなのに黄色っぽかったり、一部分だけ黄色や茶色みがかっている部分がある場合、うまれつき歯の質が弱い部分かも知れません。今回は永久歯の歯の色についてお話しします。
エナメル質形成不全という歯質の未形成症状があります
生えてきた永久歯が黄色い理由として代表的なのが、エナメル質形成不全(えなめるしつけいせいふぜん)です。
歯がつくられる課程で起こる症状
歯は表面を「エナメル質」という硬い組織で覆って、中の組織を守っています。そのエナメル質が作られ始め、発育する時期(生後3か月頃~7歳頃までの間)に何らかの障害が起こり、形成不全を起こしてしまった状態になると黄色みがかった歯の色になることが多いです。 発症の状態としては、全体的に黄色いこともあれば、部分的に黄色いこともあります。
なぜエナメル質が形成不全を起こすのか
原因として関連しているのではないかということはいくつかあります。
・栄養障害、ビタミンの欠乏、ホルモン異常
・外傷や炎症(乳歯の時期に打撲や膿などがあった)などの影響
・高濃度のフッ素など無機物の影響によるもの
・遺伝的なもの
どれに当てはまり、いつ頃そうなってしまったのかの特定は難しいといわれています。
お子さんがエナメル質形成不全の場合、妊娠時の対応などを悔やまれるお母様がいらっしゃいますが、気にされなくても大丈夫です。
他の歯に比べて弱いことを意識しておきましょう
エナメル質形成不全で黄色い場合、見た目だけの問題ではなく、エナメル質が弱いため虫歯になりやすい歯といえます。また、噛む力に耐えられずに割れてしまう可能性もあります。そこで、多くの場合は被せものや詰めもので修復(治療)し、色も目立たないように調整します。
もしかしたら本来の歯の色 もしくは着色の場合もあります
ただ、乳歯はもともと青白い色をしており、永久歯は中の層の象牙質の色が黄色っぽく、半透明のエナメル質から透けて見えているため、交換してすぐは「なんだか歯が黄色いな?」と思われがちでもあります。また、永久歯が生えかけの時に歯磨きが行き届かずに着色しているというケースもあります。
自己判断は難しいので歯科に相談を!
象牙質の色合いには個人差があり、色の感じ方や捉え方もそれぞれです。もしかしたら歯自体はとくに問題はなく、生まれ持った歯の色合いである場合も考えられます。 どうしても気になる場合は、歯のホワイトニングをおこなっている歯科医院もありますのでご相談されてみてくださいね。