by 418編集部
春、新入学・御進級のみなさん、おめでとうございます♪
新しい環境に伴い、お子さんも友達とおやつを食べるという機会が増えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
我が家の中学生に関しては、もう私が管理することはなく、自分でお小遣いを持ってお菓子を買いに行くということもよくあります。
こどもの成長や環境の変化はとても喜ばしいことですが、いざ親の手を離れておやつを選ぶことになるお子さんはどんなおやつを選ぶ子になるでしょうか…。
今回は改めて「おやつ」というものの本当の意味を掘り下げてみましょう。
そして、成長と共に「楽しく」「虫歯にならない」「身体に優しい」を自然と意識しておやつを選べるお子さんになっていただきたいと思います。
そもそも「おやつ」って何だろう
1.「おやつ」のほんとうの意味を知ろう!
みなさんはなぜ「おやつ」を食べますか?
農林水産省が推奨する食事の間隔は4~5時間です。ですが、私たちの生活の中で、昼食から夕食までの間隔が6~7時間開くという人も多いと思います。このような時、身体のことを考え軽めに栄養補助してあげることが望ましいとされ、「間食」と呼ばれているのです。上手に間食をすることで、遅い時間に食べ過ぎたりすることの予防にもなります。
おやつ=甘いものということではなく、3度の食事では不足してしまう栄養補助食であるということが本来のおやつの意味なんですね。
2.こどもの「おやつ」の意義
では、お子さんのおやつはどうでしょうか。
2歳児頃までのお子さんは胃袋も小さく、朝ごはんと昼ごはんの間で1回と昼ごはんと夕ごはんの間で1回の計2回、。また、3歳以上になると昼ごはんと夕ごはんの間に1回のおやつの回数が推奨されています。
やはり栄養補助食ということが目的ですので、できれば栄養面のことを考えたおやつが望ましいでしょう。
3.摂り方を間違えると虫歯や体調の異変に繋がることも…
おやつのイメージが「お菓子」「甘いもの」を思い浮かべる人も多いでしょう。もちろんおやつは生活の中での「楽しみ」のひとつとなっているお子さんもいらっしゃいますよね。お菓子や甘いものは大人だって食べたくなりますから、絶対に食べてはダメ!ということはありません。大量に食べてしまったり、いくつも組み合わせて食べてしまったりしてエネルギーが多すぎると、虫歯や体への異変の原因にもなってしまいます。また、食べ過ぎで本来の食事の時間にご飯が食べられなくなってしまうこともありますし、虫歯にも関係してきますのでおやつ選びがとても重要になります。
歯とおやつの関係性を知りましょう
1.「おやつ」が虫歯の原因なの?
では、歯とおやつの関係を深く掘り下げて考えてみましょう。
確かに虫歯の原因は、摂取した「糖分」が関係しています。お口の中に住んでいる常在菌(ストレプト・コッカス・ミュータンス菌)が糖分をエサにするために分解して産出する酸や住み家とする歯垢(プラーク)によって歯が溶かされたものが虫歯です。
先にお話ししたように、おやつのイメージが「甘いもの」という発想から、「おやつを食べると虫歯になる」とお考えの方もいるでしょう。ですが、おやつがおにぎりやスープなどであれば虫歯のリスクは低くなります。
必ずしも「おやつを食べると虫歯になる」というわけではないのです。
2.おやつを上手に取り入れて♪
たまにはご褒美でお菓子やジュースもOKです。大切なのは「量に気を付ける」ことと「時間を決めてダラダラ食べない」こと。3度の食事のリズムを崩さないように注意して、1日200キロ◯カロリー以内を目安にしてみてくださいね。
また、虫歯予防を考え、「砂糖量に注意する」ことや「食べたら歯みがき」を気にかけていただけたらと思います。
3.虫歯にならないために糖分とどう付き合うか
甘いお菓子をどんなに控えても、糖分を一切食べないということは難しいことです。たとえば食事を作る際にもお砂糖やみりんを使いますよね。ご家庭では徹底してたとしても外でご飯を食べることもあります。また、あまり神経質に除去しようとするのもストレスになりませんか?
私はママが無理をしたりストレスになるのではと思うのであれば、糖分を除去することにこだわらないで欲しいと思っています。
それよりも糖分と虫歯の関係性を知り、おやつの選び方や摂り方の工夫をして、美味しいものをお子さんと一緒に「おいしいね♪」といって食べる時間を大切にしていただきたいです。
おやつの食べ方と選び方の目安を知りましょう
1.どんなおやつを選んだらいいの?
こどものおやつは「4度目の食事」ともいわれています。栄養があり腹持ちの良いものが理想です。次の食事までの間食として考えれば、おにぎりやうどん、パン、くだものや芋などが腹持ちもよく栄養補給もできます。他にはスルメやこんぶ、野菜スティックをかじらせることでお口の噛む機能の発達にもなりますし、お菓子であればせんべいやあられ、クラッカーなどがおすすめです。
ただ、時には甘いものも食べたくなりますよね。甘いものは特別な日(誕生日やおやすみの日のおでかけの時など)を家族で設定したりして、毎日おやつは甘いものを食べるという習慣を見直してみましょう。
逆に控えていただきたいものとしては、アメやキャラメル、グミなどは虫歯になりやすいですし、ポテトチップスなどのスナック菓子は油が多く身体のことを考えてあまりおすすめできません。
2.おやつの食べ方にも注意
虫歯になる要素のひとつに、「糖分を摂取する」ということに加えて「時間の経過」が関連しているということもあります。
実はお口の中を潤している唾液(だえき)には、お口の中に糖分が入ってきて酸性に傾いた状態を中和して元の状態に戻してくれる役目や、歯の表面が酸によって溶け始め「脱灰」した状態を修復してくれる役割を持っています。糖分を摂取したとしても、唾液の自浄作用(じじょうさよう)が上手に機能すれば、そうそう虫歯になるようなことはありません。ですが、だらだらと時間をかけて甘いものを食べ続ければ、お口の中が酸性の状態が続き脱灰は修復されず虫歯が進行してしまうことになりかねません。
おやつは糖分の量とた食べる時間を決めてだらだら食べないことが望ましいです。控えていただきたいおやつでご紹介したアメやキャラメル、グミなどは、まさに長時間甘いものをお口に含んでおくことになるおやつということですね。
気づいてほしい…「飲み物」の落とし穴
1.おやつを食べるときは水かお茶がBEST
おやつを食べるときの水分としては、お水かお茶を心掛けましょう。
特に甘いおやつを食べるのであれば、ここに甘いジュースを組み合わせてしまってはお砂糖の量が増えてしまいます。
また、甘いジュースは歯と歯の間の狭い部分にも流れて隠れ虫歯の原因にもなりますし、歯の表面全体に付着して多発した虫歯になりやすいのです。
2.虫歯の意外な原因?!~ジュースの落とし穴~
栄養補給を考えるのであれば、野菜ジュースやくだもの100%ジュースなら身体にもよいのでは?と考えて常飲している方はいらっしゃいませんか?
実は野菜ジュースやくだもの100%と表記されているジュースでも、甘みを出すためのお砂糖は入っている商品が多くあります。「100%」という表記は、「野菜やくだものだけでジュースにしています」という意味ではなく、「材料としてそのものを100%使用しています」という意味なので、そのほかにも甘味成分や防腐剤なども入っていることがあります。
また、発熱時に飲むと良いとされていたり、スポーツ時に水分補給に良いとされているイオン飲料にもお砂糖がたくさん入っています。
これらはこまめに水分補給することが多いため、お口の中がずっと甘いもので満たされていることになってしまいます。部活動を始めたり、病み上がりに虫歯が多発してしまったという例もありますので注意しましょう。
3.野菜やくだものジュースはお口の中を酸性に傾けます
ジュースに含まれるお砂糖だけが飲み物から起こる虫歯の原因ではなく、くだものなど元々「酸」の強いものもありますし、健康に良いとされ流行しているお酢のドリンクなども酸性が強い飲み物です。
酸に弱い歯の質は、虫歯の原因菌が働かなくてもこれら飲み物の酸によって直接脱灰して虫歯になることもあります。
身体に良いからと、毎日の朝ごはんやおやつに飲んでいるという方は要注意です。
おやつは楽しく! 食べたあと歯のケアを意識できるお子さんに!
おやつ選びももちろん大切ですが、食べることばかりを制限してしまっては楽しくありませんよね。お友達と駄菓子屋に行ってお菓子を選ぶのも楽しいし、時々ご褒美おやつとしてアイスクリームやプリンなどを食べるときのワクワクする気持ちも大切です。
甘いもの、たまには食べてもいいんです!そして食べたら虫歯予防のことをちょっと思い出してケアしてみてくださいね。
たとえば外出先で歯磨きできないのであれば水で口をゆすぐだけでもお口が早く中和されます。遊びに出かけるお子さんに水筒を持たせる習慣をつけたり、おうちで特別な日のおやつを食べるのであれば「これ食べたら歯みがきしようね」とお約束を先にするなどのちょっとした工夫を取り入れてみてください。
まとめ
これからおやつを開始するという小さいお子さんであれば、まだまだ身近で子育てをしてくれる保護者のみなさんがおやつを選択するでしょう。「おやつの時間=甘いもの」という習慣をつけないようにして、「おやつは第4の食事」ということを意識してみてください。
また、親御さんの管理下でなくおやつを食べる機会が増えてきた年齢のお子さんは、おやつに「楽しみ」という要素も加わってきます。あまり制限し過ぎて本人も親御さんもストレスになるのでは本末転倒。これからはおやつの選び方や、食べた後の歯のケアを意識してチョイスしてみてください。きっとそんな親御さんを見て育ち、自分でも意識できる健康志向の高いお子さんになってくれることでしょう♪