歯科において、ニュースで話題になる歯科麻酔の事故の影響もあってか、妊娠中に麻酔を使う治療はお腹の赤ちゃんに影響しないかと心配されるママがいます。今回は、妊娠中に歯科麻酔を使っても赤ちゃんに影響することがないかについて詳しくお話ししたいと思います。
歯科の局所麻酔はお腹の赤ちゃんには直接的悪影響はありません
ママが治療等のために受けた歯科麻酔の影響が、お腹の赤ちゃんにも及ぶといったことはありません。しかし、麻酔薬によって母体に与える影響を考えると、妊娠中はできるだけ受けないで済むようにしたいものです。
歯科で使われる「局所麻酔」について
歯科治療では、注射器を用いて局所的に感覚を鈍くする「局所麻酔」が一般的におこなわれます。通常の治療等で使用する量であれば、母子ともに麻酔薬による悪影響などは全く心配しなくても大丈夫です。
間接的な影響には注意が必要です
ただし、もともと歯科に対する恐怖心が強い人であれば、麻酔すると聞いただけで緊張感を増長してしまいがち。これが引き金となってお腹の張りや流産につながる危険性がゼロとはいえないのです。
妊娠中には過度の負担はできるだけ避けることを基本とし、特に麻酔薬が必ずといってよいほど必要な「抜歯」に関しては積極的にはおこないません。抜歯は心身的にも緊張や痛みなど負担が大きくなる可能性が高く、場合によっては投薬が必要なこともあります。
そこで、親知らずの抜歯などであれば妊娠中は様子を見たり、矯正治療で抜歯が必要であれば妊娠期間中は時期をずらす等、さまざまな配慮がなされます。
ママの感じる「ストレス」は赤ちゃんには与えたくありませんよね?
お腹の中の赤ちゃんは、胎生5週目には「恐怖麻痺反射」を開始します。これは、ママが何らかのストレスを受けた時、自分を守るためにシャットアウトして麻痺状態にする反応です。この反射によって、赤ちゃんは健やかに成長をしてくれます。
とはいえ、ママがストレスを感じることが多ければ、ママの体に変調をきたし、結果的に腹痛や流産・早産などにつながってしまうのでは本末転倒です。
歯科麻酔をしなくてはならない事態を招かないのが一番!
妊娠の可能性がある女性すべての皆様にお伝えしたい…。
いつ赤ちゃんを迎えることになっても良いように、日頃から口腔内もよい環境にしていただきたいと思います。虫歯や歯周病を放置していると、妊娠で体質や体調の変化で悪化することもよくあることです。
もし、やむを得ず麻酔をしなければならない状況になってしまった時は、歯科医師とよく相談し納得の上でうけるようにしてください。また、心配なことは遠慮せずスタッフに相談してくださいね。