近年、健康寿命を延ばすために オーラルフレイル(口腔の虚弱)という言葉が注目されています。オーラルフレイルとは、加齢に伴い咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)、発音などの口腔機能が徐々に低下していく過程を指します。高齢者の問題として捉えられがちですが、実はその予防は子どもの頃からの「口腔機能育成」が鍵を握っているのです。
本記事では、オーラルフレイルの基礎知識とともに、子どもの口腔機能の発達を支えるために家庭でできることをわかりやすくご紹介します。
カテゴリー毎の最新記事
近年、健康寿命を延ばすために オーラルフレイル(口腔の虚弱)という言葉が注目されています。オーラルフレイルとは、加齢に伴い咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)、発音などの口腔機能が徐々に低下していく過程を指します。高齢者の問題として捉えられがちですが、実はその予防は子どもの頃からの「口腔機能育成」が鍵を握っているのです。
本記事では、オーラルフレイルの基礎知識とともに、子どもの口腔機能の発達を支えるために家庭でできることをわかりやすくご紹介します。
オーラルフレイルとは、口の働きが少しずつ衰え、やがて食べる・話す・飲み込むといった日常の基本的な行動に支障をきたす状態です。
噛みにくい、飲み込みにくい
滑舌が悪くなる
食べこぼしやむせが増える
口の中が乾きやすい
といったものがあり、これらは全身のフレイル(虚弱)や認知機能の低下とも関連していることが分かっています。
私たちの口腔機能は、実は生まれてからの食事や生活習慣によって大きく左右されます。つまり、子どもの頃の発達が、将来の口の健康を左右する土台になるということです。
咀嚼機能(よく噛む力)
嚥下機能(飲み込む力)
口唇閉鎖力(口をしっかり閉じる力)
舌の動き・位置
呼吸と姿勢のバランス
これらがうまく育たないと、「食べにくい」「話しにくい」「虫歯や歯並びの悪化」などの問題が起こりやすくなります。そして、大人になってからのオーラルフレイルのリスクが高まってしまいます。
やわらかいものばかりを食べていると、咀嚼機能の発育に影響を及ぼすことがあります。年齢に応じて、「噛み応えのある食材」や「大きめに切った野菜」などを意識的に取り入れることが大切です。
たとえば、
きんぴらごぼう
れんこん
ひじき
しっかり焼いたお肉
など、歯ごたえがありながらも栄養価の高い食材がおすすめです!
椅子に浅く座って食事をしていませんか?姿勢が悪いと、舌や口の動きにも影響を与えます。背筋を伸ばし、足裏がしっかり床につく高さの椅子を使用することで、嚥下や咀嚼の機能が安定します。
また、テレビを見ながらの「ながら食べ」も要注意。一口ごとにしっかり噛む習慣をつけることで、口腔機能の発達を促します。
口呼吸は、口腔内の乾燥や歯並びの悪化を招き、長期的には口腔機能の低下を引き起こします。お子さんが普段から口をぽかんと開けていないか、寝ているときに口を開けていないかなどを観察し、気になる場合は耳鼻科や歯科への相談をおすすめします。
お口の機能を支える筋肉を鍛えるために、「あいうべ体操」や「風船ふくらまし」などの簡単な舌・口唇運動を遊び感覚で取り入れるのも効果的です。
家庭でのケアに加えて、定期的な歯科受診による「口腔機能の発達チェック」も重要です。最近では、小児歯科でも口腔機能の評価を行う医院が増えており、専門的なアドバイスを受けることができます。
とくに、
発音がはっきりしない
食べるのが遅い
うまく飲み込めていない
といったサインがある場合は、早めの受診をおすすめします。
オーラルフレイルは、決して高齢者だけの問題ではありません。子どものうちからの正しい口腔機能の育成が、将来の健康寿命を延ばす第一歩となります。
食べる・話す・笑う——そんな当たり前のことが、生涯を通じて豊かにできるよう、日常の中で少しずつ意識していきましょう。
お子さんの口の使い方、ちょっと気にしてみませんか?