人間は本来、生まれ持った機能や、生活の中で身に着ける運動能力で歯並びも整うようにできています。ですが、現代人は古代人のような食事や運動をする機会が減り、口腔機能が弱いために歯並びが悪くなっているのです。そこで、歯科で「治す」ではなく「導く」ということに視点を置き、お子さんの歯並びが整うために大切なポイントをご紹介できればと思います。
子供の歯並びを悪くさせないためには何に気を付けたらいいでしょうか?
子どもの歯並びは「生活環境」が7割という大きな割合で関係します。自然な成長とともに歯並びが整うよう「生活環境」を整えてあげましょう。 生活環境を歯並びが悪くならないように導いてあげることができれば、永久歯への交換もスムーズにおこなうことができ、きれいに並んだ正しい噛み合わせになる可能性はアップします。 具体的に例を挙げるとすれば、「食生活」「習癖や姿勢」「虫歯の有無」などが考えられます。
口腔機能が育つ「食事」
食の欧米化に伴い、昨今の子供たちは噛む回数が減っています。固いものを食べて顎の成長を促すということが減ってしまえば、小さな顎に永久歯が並びきれずに凸凹になってしまいがちです。繊維質のものを増やしたり、上手に料理に盛り込む。また、食材を小さくし過ぎないなど工夫して、食事で噛む回数を自然に増やせるレシピを考えてみてくださいね。
歯並びに影響する習癖や姿勢
舌を出したり唇を噛む癖や指しゃぶりなど顎や歯列を変形させてしまうようなお口の悪習癖や、頬杖をついたり片側ばかりで噛むといった癖も骨格に歪みが生じて歯並びや噛み合わせにズレが生じてしまいます。しっかりと口を閉じ、舌の筋肉が引きあがっているポジションを取れることで、自然な口腔機能だけで歯並びが整うように導いてくれるのです!
虫歯
虫歯は歯並びとは直接関係が無いようにも思われますが、虫歯で歯質が薄くなっただけ噛み合わせの高さにズレが生じたりすることもあります。また、虫歯が酷くなり早期に抜歯することになれば歯と歯の間のズレが生じたり、道案内になるはずの乳歯が無いために、永久歯が違う位置から生えてくるなどの不具合にもつながってしまいます。
歯並びは奥が深いんです!
何気ない子供の生活習慣や癖が歯並びに影響するかもしれないというリスクを知り、できるだけ排除すること。そして、お口の機能がスムーズに育成するような食事や、お口周辺の筋機能が向上するような生活をすることで歯並びを自然に整えてあげられる環境にしたいものですね。