お口の健康コラム

つわりとお口の関係を知って、妊娠中を健康に乗り切りましょう!

妊娠すると妊婦さんの多くが経験すると言われる「つわり」。

さまざまな症状があり、軽い人や重い人、全く感じなかったという人もいます。

直接的に関係が無いようで、つわりの症状はお口と深い関係があります。そこで、ママが健康で出産を乗り切るためにも、ぜひつわりとお口の関係性を知っていただきたいと思います。

つわり(悪阻)の症状

胃がムカムカしたり、生つばがでたり、吐き気があったりなど、人によって症状は様々で、妊娠中につわりを全く感じなかった人や最後までずっとそうだった人もいます。

妊婦さんの5割~8割の人が経験するとされています。

つわりによって起こる、お口に関連する変化

・酸味のある物を好んで食べるようになる

よく「レモンを好む」など聞いたことがある方もいるかもしれません。さっぱりした味が食べやすかったり、妊娠前には無かった、食材へのこだわりなどから、酸味のあるものを好んで食べるという方も多いようです。

・小分けにして食事をすることが増える

お腹いっぱいになりすぎや、逆にお腹が空くと気分が悪くなることから、小分けにして1日に何回も食事をする方もいます。

中には、つわり対策として、外出中に飴を持ち歩くという方もいたりするのはこのためです。

・体調不良による嘔吐や嘔吐反射が起こることがある

つわりの時期は嘔吐や嘔吐反射を感じる方が多くみられます。

ピークは妊娠初期の3~4ヶ月頃で、妊娠中期に近づくにつれて徐々に楽になる傾向があります。

はっきりとした原因は不明ですが、ホルモンバランスの乱れが原因ではないかといわれています。

・歯磨きをするのが辛くなることがある

歯ブラシや歯みがき粉がお口に入るだけでも嘔吐感謝を起こし、歯磨きが辛くなる方もいます。

妊娠前よりも食事の回数が増えるのに、歯磨きが行き届かないという状況になりやすくなるのです。

虫歯や歯周病のリスクをUPさせてしまう要素がたくさん!

つわりによって起こる、お口に関連する変化によって口の中が酸性に傾き、中性に戻りにくい状態になるため虫歯になりやすくなります。また、妊娠によって女性ホルモンの分泌量も増えることで、その口腔環境を好む歯周病菌が増殖しやすい環境になります。加えて唾液の分泌量の低下や、口腔内が不衛生になりやすくなることで、歯周病のリスクも高くなってしまうのです。

つわりを乗り切るためのポイント

➀こまめに口をゆすごう、水を飲もう水分を意識的にとることで、口の中の自浄作用がUPします!

また、酸性に傾いた口内を中和する作用もあり、歯が酸で溶けるのを予防することにもつながります。

マウスウォッシュを活用するのもおすすめです。

②ヘッドの小さなブラシに替えてみよう歯ブラシを小さくすることで、吐き気を感じにくくする効果になります。

上向きは喉の方に刺激が届きやすいので、下を向いて歯を磨くのも効果的です。

そして、無理に歯磨き剤をつけなくても大丈夫ですし、歯みがき剤があったほうが爽快感があってよいと感じる方はお使いいただければよいでしょう。

まとめ

つわりは妊娠中のママにとって、本当に辛いものです。けれど、終わりは必ず来ます!

無理せず、小さな工夫で、つわりの時期を乗り切りましょう!

心配なことや疑問点などがあれば、ぜひ妊婦の受け入れをおこなっている歯科医院にご相談ください。

ABOUT ME
山下宗 (歯科医師)
お口の健康は10年後、20年後…とずっと先の将来まで見据えて、予防、健康維持をしていかなければなりません。 長い付き合いになるからこそ、みなさんにはより良い知識をつけていただきたいと思っております。 お口の健康を守るためには、歯医者さんで行うメインテナンスが大切です。また、それ以上に重要なのが、正しい歯磨きや規則正しい食生活をはじめとした「健康的なお口を育む日常生活」を送ることです。日常のお口のケアについてもアドバイスさせていただきます。 私たちと一緒に、おいしく食事を食べられるお口の環境を守っていきましょう。 お口のことで悩みごとがありましたら、お気軽にご相談ください。